熊本城
熊本城は日本三名城にも数えられ、日本を代表する歴史的建造物です。加藤清正が江戸時代初期に完成させてから、歴史の重要な舞台でした。2016年熊本地震からの復旧へ着実に歩みを進めています。
復旧へと近づいていく今こそ行きたい!日本三名城「熊本城」へ行ってみた
熊本城には復旧に向かう今だからこそ見える景色がありました。
目次
熊本城・市役所前駅から徒歩10分。
熊本城は日本三名城にも数えられる日本を代表する歴史的建造物です。
加藤清正を祀る加藤神社を参拝したり、
熊本地震の被害状況を知ったり、
特別見学通路からお城を眺めることもできるんです!
そんな熊本城の魅力を、熊本城総合事務所の津曲さんに教えてもらいました!
大天守と小天守が並び立つ熊本城
立派な木ですね。
二の丸広場にはクスノキの木があり、安らぎの空間にもなっています。
おー、天守閣だ!
熊本城には大天守と小天守、2つの天守が並んでいます。
熊本地震の被害を受けましたが、天守閣の公開が再開しましたね。
2021年6月28日に一般公開が始まりました。ひとまず良かったです。
ただ、被災した状況が目に見えて確認できますね。
そうなんです。復旧にはまだまだ時間がかかります。
復旧への長い道のり
これは何でしょうか?
地震で崩れた石垣の石材が運び込まれているんです。識別するために番号が振られています。
なるほど。少しでも早く復旧工事が終わるといいのですが・・・。
復元するだけでなく、安全性も確保しなければなりません。文化財としての価値を損なわず、安全を確保していくのは大変なことです。
そうですよね。復旧工事はどれくらいかかるのでしょうか?
すべて完了するのは2037年度末を予定しています。20年近くかかることになりますね。
この大きな岩のようなものはなんでしょう?
セメントと砂と水を混ぜたモルタルです。崩れるのを防止するため一時的に塗られました。
隙間から見える黒いものはフェルトです。石垣は土嚢で押さえていて、応急対応の状態です。復旧にはまだ時間がかかります。
長い道のりだとは思いますが、少しずつ復旧へ近づくといいですね。
築城主・加藤清正を祀る加藤神社
さあ、こちらが加藤神社です。主祭神はご存知ですか?
加藤清正ですよね?
そうです。熊本城を築城した加藤清正公が祀られています。初詣にはたくさんの方々がお参りに来ます。
ところで、天守閣はなぜ比較的早く復元できたのでしょうか?
構造が鉄骨鉄筋コンクリートで、杭が打ってあったため早く復元できました。1960年の外観工事の際に現代工法が取り入れられていたんです。
こうして日々、作業員さんたちが頑張っておられるんですね。
本当に頭が下がります。
そういえば、天守閣ってどこから撮影するのがいいんですかね?
二の丸広場にあるデッキからは天守閣や宇土櫓などが一同に撮影できておすすめですよ。
みなさん、二の丸広場のデッキ、忘れずに行きましょう!
こうして実際に見てみると、地震の被害の大きさを改めて感じます。
そうですね。復旧に向けては何よりも石垣が大事です。
なぜですか?
木造建築は石垣の上に乗っているだけなんですよね。お城を支える石垣がしっかりしてないと始まらないわけです。
高さ6m、全長350mの特別見学通路
この橋みたいなものは何でしょうか?
特別見学通路です。復旧工事を安全に行いながら復旧の過程を間近で見ていただくためにつくられました。
木とお城の間をうまくすり抜けるようにつくられてますね。
石垣をまたぐ鮮やかなアーチも見どころです。高さ6m、全長350mで木を縫うようなコースになっています。
こうしたところにも技術力が生かされているんですね。
工事車両の導線と、訪れる方の安全をともに確保するためにたくさんの工夫がなされているわけです。
地震の被害を受けたことがショックなのはもちろんですが、特別見学通路ができたことによって、今までよりも見学しやすくなった部分もありそうですよね。
おっしゃる通りです。今までなかなか目につかなかった部分に注目してもらえる機会にしていきたいです。
良い眺めですねー。
ちなみに通路の床には熊本県産のヒノキが使用されています。
被災した現状を知る
この建物はなんですか?
数寄屋丸二階御広間です。
特別見学通路の高さがちょうどよく見やすいですが、痛々しい姿です・・・。
被災したままの状況なので、定期的にいらっしゃると今後の復旧の過程を知ることができます。
天守閣だ!
天守閣は熊本地震の復興のシンボルとして、優先して復旧工事にあたりました。
優先順位は大事ですよね。熊本城の復旧と観光を同時に行っていこうという考えも見事だと思います。
ただ、工事は本当に大変です。城はもともと敵に攻められないように設計されているので、工事も苦戦します。
確かにそうですね・・・。天守閣を近くから見るとやはり迫力を感じます。瓦の白が映えてますね。
実は、瓦自体は白くはないんです。瓦のつなぎ目に漆喰が塗られているのです。今は鮮やかな白ですが、今後徐々に色が落ち着いてくるでしょう。
遠くから見るのもまたいいですね。
様々な場所で写真撮影するのもおすすめです。
こちらは「二様の石垣」といって、2つの時代の石垣が重なっているんです。特徴を比べると技術進歩を感じられます。
この高さだとよく見えますね。
私はここを見てほしかったんです。これまであまり見てもらえなかったマニアックなエリアが特別見学通路で注目されるようになったのはうれしいですね。
あちらに見えるのは熊本市役所です。14階の展望スペースから熊本城が一望できるんです。
素敵ですね。熊本市の職員の方がうらやましいです。
籠城に備えてつくられた井戸
これは・・・井戸ですか?
そのとおり、井戸です。籠城に備えて、120ほどの井戸があったと言われています。こちらの井戸の近くには本丸御殿の台所があります。
次は本丸御殿に行きますよ。
これが本丸御殿ですか?
「闇り通路(くらがりつうろ)」と呼ばれる本丸御殿につながる地下通路です。地下通路は日本全国の御殿建築のなかでも異例のものなんです。熊本城の防衛を知るうえでの見どころでもあります。
これもイチョウですか?
はい、イチョウです。一度西南戦争で焼けましたが、根元から芽が出て立派なイチョウになりました。
幹が本当に太いですね。
何度見ても、天守閣は素敵ですね。
天守閣は西南戦争の際に焼失してしまいましたが、1960年に鉄骨鉄筋コンクリートを用いて外観復元されました。
今回の地震も乗り越えて、完全復活した姿を見るのが楽しみですね!
熊本城には復旧に向かう今だからこそ見える景色がありました
熊本城は熊本地震からの復旧へ向け前進しています。
懸命な復旧工事により、天守閣内部など徐々に公開範囲は広がってきました。
普段と違う景色を見られる今こそおすすめです。
復旧へと近づいていく過程を見られるのは今だけです。ぜひ熊本城にお越しください。
熊本城の施設情報
熊本城 公式サイト https://castle.kumamoto-guide.jp/
営業時間
9:00~17:00(最終入園16:30)
入園料
高校生以上 | 小中学生 | 未就学児 | |
熊本城入園料 | 800円 (640円) |
300円 (240円) |
– |
2館共通券 (熊本城・わくわく座) |
850円 | 300円 | – |
3館共通券 (熊本城・わくわく座・熊本博物館) |
1,100円 | 400円 | – |
※団体料金は30名様以上でご利用いただけます
※上記の情報は(2021年6月28日)時点での情報となります
アクセス:熊本県熊本市中央区本丸1-1
・車
熊本ICから約30分
阿蘇熊本空港から約45分
植木ICから約40分
・電車
熊本駅前→[熊本市電A系統14分]→熊本城
・バス
熊本駅→[熊本城周遊バスしろめぐりん約30分]→熊本城
熊本空港→[高速リムジンバス50分]→桜町バスターミナル→熊本城
取材・執筆:KOH