宮崎県

宮崎県総合博物館

宮崎県総合博物館は宮崎県の自然と歴史を紹介する博物館です。自然史、歴史、民俗の3つの常設展示があり、宮崎の新たな一面を発見できます。

宮崎の自然、歴史、民俗が集結した「宮崎県総合博物館」へ行ってみた!

宮崎県総合博物館は宮崎の自然と歴史を同時に味わえる万能な博物館でした。


宮崎神宮駅から徒歩11分。

宮崎県総合博物館は宮崎県の自然と歴史を紹介する博物館です。

豊かな宮崎の自然を感じたり、

昔の宮崎の人々の暮らしぶりを見学したり、

シアターで映像を見ることもできるんです!

そんな宮崎県総合博物館の魅力を、担当の竹下さんに教えてもらいました!

自然史、歴史、民俗の3つの常設展示

どんな展示が見られるんでしょうか?

常設展示は3つです。1階に自然史、2階には歴史と民俗の展示室があります。

さっそくシカがお迎えしてくれました!

入り口すぐにあるのはシカの剥製です。樹齢200年ほどのタブノキもあります。

一瞬本物かと思いました。

まずは自然史展示室からですね。

自然史展示室は宮崎の森と水辺、大地、生物、ふるさとの自然の5つに分けられています。

展示数はどれくらいあるんでしょうか?

8,000点以上の実物資料、レプリカ、模型を展示しています。

宮崎の森ってどんな感じなのでしょうか?

宮崎県では標高1,000m以下に照葉樹の森が広がっています。

照葉樹って聞いたことはあるんですけど、いまいち何のことだか分からないのですが……。

葉が厚く、表面が光る特徴を持った木を照葉樹といいます。具体的にはタブ・シイ・カシなど。日本では東北地方沿岸部から沖縄まで分布しています。

2種類の映像が楽しめる照葉樹林シアター

なるほど。これは何ですか?

照葉樹林シアターです。当館に備えている3つのシアターのうちの1つです。

シアターが3つも!すごいですね。

そこも当館の魅力です。照葉樹林シアターでは「夏の森の1日」と「命をはぐくむ照葉樹林」という2つの映像を楽しめます。

ブナの木も生えてるんですね。

標高1,000m以上の山地帯にブナの森が広がっています。

河川、海、湿原に分かれて展示される「宮崎の水辺」

続いて宮崎の水辺のコーナーに来ました。

このコーナーは河川、海、湿原に分かれています。

カメだ!

宮崎県で産卵する主なウミガメはアカウミガメです。

産卵地が細かく書かれていますね。
宮崎県では実際にアカウミガメを見ることはできるのでしょうか?

アカウミガメは夜から朝にかけて浜辺を移動しているので、遭遇することは稀だと思います。もし見つけた場合はライトで照らしたりせず、静かに見守ってくださいね。

肝に銘じます。
ほかにも、宮崎の海には色々な貝がいますよね。

そうなんですよ。宮崎の海岸で見られるのはクロアワビ、ベッコウザラ、マツバガイ、クマノコガイ、ナツメガイモドキ、サツマアカガイなどです。

これも貝の化石か何かですか?

こちらはコンクリーションというものです。アンモナイトや貝類、クラゲなど死んで腐敗した生き物の体から出た酸と海水中のカルシウムが反応して炭酸カルシウムとなり、周囲の砂や泥などを結びつけて丸く固まるとされています。大きなものだと直径約1・2メートル、重さ約2・5トンのものもあります。

そんなに大きいものもあるんですね!

宮崎県は自生している動植物が6,000種類

「宮崎の大地」はどんな展示があるのでしょうか?

宮崎の大地の成り立ちを古い時代から順に紹介しています。

宮崎には様々な化石の産地があるんですね。

そうなんです。宮崎ではティラノサウルスの化石も発見されています。

これもシアターですか?

こちらは2つ目のシアター、地球シアターです。「地球と宮崎の生い立ち」と「宮崎地質探検隊」という2種類の映像がご覧いただけます。

虫の標本もあるんですね。

宮崎は昆虫の種類が非常に多いんです。
宮崎県は日本の中では温暖な気候なので、他では見られない昆虫も生息しています。

宮崎にいる生物の特徴はどういうものでしょうか?

宮崎県には標高1,700mの冷涼な山岳地や黒潮という暖かい海流があるため、寒い地域に住む生物と暖かい地域に住む生物が混在しています。

どれくらいの種類がいるんでしょうか?

自生している動植物だけでも約6,000種類と言われています。

クジラもいるんですか?

よくクジラが打ち上がりますね。10m近いマッコウクジラやザトウクジラを見かけます。

2万年前から現代までを紹介する歴史展示室

2階の歴史展示室にやってきました。

これは、1万数千年前の宮崎の照葉樹の森でシカを槍で狙う人々です。

これは家でしょうか?

弥生時代後期から古墳時代初期にかけて南九州で見られた竪穴式住居です。上から見ると花びらの形をしていることから「花びら形住居」と呼ばれています。

花びら形住居、初めて聞きました。

宮崎や鹿児島で見られる全国的には珍しい住居です。家の床は地面より低く、外側の花びらの部分は中心より高く作られていて、土壁で隣同士を仕切っています。

これらは土器ですかね?

はい、縄文土器や弥生土器も展示されています。

土器が暮らしの中で使われるようになったんですね。

縄文時代には獲物を追って移動する生活から定住生活に変わりました。煮炊き用の土器が使われ、食生活が豊かになっていったのです。

これは……?

古墳時代に地下に造られたお墓です。宮崎県内のは4,000基以上の様々な古墳が作られました。

いつ頃作られたものなのでしょうか?

これは5〜7世紀にかけられて作られた古墳です。4体の遺体は一度に埋葬したのではなく、亡くなるたびに土を掘り起こして葬ったそうです。

一気に時代が進んだ感じがします。

こちらでは紙芝居のイベントを開催することもあります。

昔の時代にタイムスリップしたような感覚になりますね!

民俗学発祥の地・宮崎県

最後の展示エリア、民俗展示室にやってきました。

実は、宮崎県は民俗学発祥の地なんです。

すごい!

民俗学者の柳田國男が1908年に椎葉村を訪れて以来、民俗の宝庫として知られています。

色々あって、面白そうです。

竹細工や狩猟の道具などが展示されています。

これは何かの儀式や祭りの再現ですか?

神をまつるための歌や舞を行う神楽の舞台を再現したものです。スクリーンが降りてきて、神楽シアターにもなるんですよ。

3万5000冊の蔵書を誇るみんなの情報室

こちらは「みんなの情報室」です。親子で遊べる塗り絵などもできます。

子どもが喜びそうですね。

みんなの情報室には、展示以外の情報を得るための体験資料やビデオ・DVDなどがあります。

難しそうな本がたくさん……。

約3万5000冊の蔵書があります。

標本もあるんですね。

植物約1,400点、昆虫約300点、貝類約900点、岩石鉱物約380点の標本があります。

宮崎県総合博物館は豊かな宮崎の自然と2万年の歴史を同時に味わえる博物館でした

宮崎県総合博物館は豊かな宮崎の自然と2万年の歴史を同時に味わえる博物館といえます。

豊富な展示に加え、映像を楽しめるシアターが計3種類。みんなの情報室は3万5,000冊の蔵書を誇ります。

宮崎旅行の際にぜひ訪れてみてください。

宮崎県総合博物館では宮崎の生物や地質、歴史など幅広いテーマを扱った展示会やイベントを開催しているので、ぜひお越しください!

宮崎県総合博物館の施設情報

宮崎県総合博物館 公式サイト: https://www.miyazaki-archive.jp/museum/

営業時間

9:00〜17:00(最終入館16:30)

休館日

・毎週火曜日(5月5日、8月11日、9月22日、11月3日、2月23日を除く)

入館料

常設展入館料:無料

※各展覧会の観覧料はその都度定められます

アクセス:宮崎県宮崎市神宮2丁目4-4

・車

宮崎駅より約10分

・電車

宮崎駅→[日豊本線延岡行き2分]→宮崎神宮駅→[徒歩11分]→宮崎県総合博物館

・バス

宮崎駅「西2番のりば」→[宮崎交通バス 古賀病院行き/国富・酒泉の杜行き]→博物館前→[徒歩3分]→宮崎県総合博物館

もしくは

宮崎駅「宮交橘通支店前」(交番近く)→[宮崎神宮行き]→終点下車、宮崎神宮内の西神苑駐車場から神宮会館西側の散策路を通る→[徒歩約12分]→宮崎県総合博物館

 

取材・執筆:KOH