えびのエコミュージアムセンター
えびのエコミュージアムセンターは霧島錦江湾国立公園のビジターセンターです。霧島山の自然と歴史を学んでから登山や散策をすると楽しさが倍増します。
霧島山を楽しむ拠点「えびのエコミュージアムセンター」へ行ってきた!
えびのエコミュージアムセンターは霧島火山帯観光の拠点でした。
目次
えびのICから車で約40分。
えびのエコミュージアムセンターは霧島火山帯の自然や歴史を紹介しています。
霧島火山帯の位置関係を把握したり、
7300年前の噴火の火山灰を観察したり、
霧島火山帯の動物について学ぶこともできるんです!
そんなえびのエコミュージアムセンターの魅力を、解説員の渡邊さんに教えてもらいました!
標高1,200m、霧島山の韓国岳の中腹にある
標高1,200mもあるんですね!
霧島山の最高峰、韓国岳(からくにだけ)は標高1,700mあります。えびのエコミュージアムセンターは、韓国岳の中腹・えびの高原にあるんです。
「かんこくだけ」かと思ってました!「からくにだけ」なんですね。
「韓国」は古事記を作ったときに、当て字をしたという説があるんです。
ということは古事記が作られる前から「からくにだけ」と呼ばれていたのでしょうか?
もともとは「空国」で「からくに」だったのではないかと言われています。高地であることから岩肌が出ていると枯れて見えますよね。「枯れた土地」から「からくにだけ」と名付けられ、後から「韓国岳」と漢字が当てられたのではないかと。
面白いですね。韓国岳って火山なのでしょうか?
はい、直径900m、深さ300mに達する大きな火口を持っています。えびの高原では、韓国岳の爆裂火口や今も噴気を上げる硫黄山、白紫池や六観音御池をはじめとする火口湖など、火山が作り出した数々の景観を楽しむことができます。
日本初の国立公園の中にある
えびのエコミュージアムセンターはどのような場所なのでしょうか?
当施設は霧島錦江湾国立公園、霧島ジオパークのビジターセンターです。
ここは国立公園なんですね!
もともとは「霧島国立公園」でした。日本で初めての国立公園だったんですよ。そこから「霧島屋久公園」を経て「霧島錦江湾国立公園」になりました。
いろんな展示があるのでしょうか?
霧島火山帯の自然や歴史、登山情報についてパネルや映像、標本などで紹介しています。
登山や自然観察に出発される前、フィールドで出会った生き物について調べたいとき、ドライブの途中の情報収集など霧島火山帯の自然に親しむ拠点としてお立ち寄りいただけたらと思います。
周辺にある様々な登山道が見どころ
えびの高原の周辺にはどんな見どころがあるのでしょうか?
山がたくさんあるため多様な登山道が楽しめます。手軽なものだと、えびの岳が往復1.5時間ほど。韓国岳は往復2.5時間、白鳥温泉下湯は往復6.5時間ほどかかります。
全体を俯瞰して見るのにいいですね。
様々な山の位置関係を確認することができます。
白鳥山という山もあるんですね。白鳥が生息しているのですか?
白鳥が生息しているのではなく、修行僧に感銘を受けたヤマトタケルが白鳥になって飛んでいったことから白鳥山と名付けられたそうです。
名前の由来を知るだけで楽しいですね。今日だけで色々、豆知識が増えてます!
そうなんです。知識があると、より登山が楽しくなりますよ。
霧島火山帯、たくさんの山が集まっていて面白そう。
しかも南にあるため、閉山期間がないんですよ。1年中登れて、四季折々の山を楽しめるのが特徴です。
日本列島を縦断するかのように多種多様な植物が見られる霧島火山帯
霧島山赤色立体地図とは何でしょう?
火山の溶岩がどこまで流れたかが分かる地図です。ちょっと開いてみますね。
なんだかものものしいですね!
実はこの地図は、ブラタモリに出演された東京大学の教授が作ったんですよ。
溶岩も種類によって、流れる範囲が変わるってことですか。
硫黄山の溶岩はドロっとしていて、遠くまでは流れません。一方で新燃岳はツルッとしてるんです。
霧島山の景観の独自性も深堀りして学ぶことができるんですね。登山や散策のみならず土地全体への理解度を深められそうです。
霧島山の景観の独自性としては、日本列島をまるで縦断しているように北から南まで多種多様な植物を観察できるんです。
7300年前の火山灰が見られる
大きな写真で見ると、ものすごい噴火ですね。
2011年に噴火した新燃岳の噴火経過を見られます。
2011年?かなり最近ですね。
2011年の噴火の際は幸い怪我人が0人でした。だいたい噴火するのは冬なんです。冬は登山客は少なく、専門家や調査の方などが多いので、噴火による被害が少なく済んでいます。
この地域では噴火のたびに火山灰が降るので、レンガの素材にするなどの活用もしています。
火山灰を利用したレンガ、いいですね。
新燃岳の噴火による火山灰は宮崎市まで届いたそうです。エコミュージアムセンターの建物のレンガも火山灰の再利用なんです。
そんな火山灰が長年蓄積し、このような地層を形成しています。
最下層は7300年前!昔すぎて想像がつきません・・・。
約7300年前に噴火した鬼界カルデラは、現在は硫黄島の周りの海になっているんです。
それほどに地形を変化させる規模だったんですね。
ニホンジカや様々な鳥と出会えるえびの高原
火山灰が積もっても、植物は生えるんですか?
噴火によって痩せた土地には、まずミヤマキリシマが生えます。その後、ススキ、アカマツと移り変わっていきます。その中で火山活動が発生すると、また裸地に戻るんです。
なるほど。噴火からの経過によって植物が変わっていくんですね。
そうなんです。ミヤマキリシマは環境に適応してドーム状に開き、火山灰や雪から幹と根を守っているんです。
標高の高い場所では日本列島の北にある植物も見られるんですよね?
はい、ブナやミズナラなど北国に生息する植物が霧島山では見られるのも特徴です。
植物への影響が大きいとなると、火山が動物や昆虫たちに与える影響も大きいのでしょうか。
そうなんです。本施設では、そんな火山のある環境に生息する昆虫の企画展などのイベントを行うこともあります。
ナイトサファリもあるんですよね。
ナイトサファリではたくさんの野生動物たちと出会えますね。
イノシシもいるんですか?
イノシシを見る機会はほとんどないですね。今朝、出勤時にニホンジカは見ました(笑)
今朝!
こちらはそんなニホンジカのツノです。もちろん今朝のシカのものではありませんよ。
ニホンジカのツノ、立派ですね〜。
ニホンジカにとってツノは重要なんです。オスのツノが立派だとメスが反応します。オス同士では相手が立派なツノだと、すぐに諦めてしまうんです。
どの世界も色々と大変ですね!
そうですね(笑)
えびのエコミュージアムセンターでは、様々な体験プログラムやイベントも行っていますので、霧島山にいらした際はぜひ気軽に立ち寄っていただきたいです。
駐車場に車を停めて、遊びにいくのも周辺に良さそうですね。
長時間滞在される方は、本センターの駐車場がおすすめですよ!
えびのエコミュージアムセンターは霧島山観光の拠点でした
えびのエコミュージアムセンターは霧島山観光の拠点でした。
霧島山の自然や歴史、登山情報について学んでから散策に出かければ、より充実した観光になること間違いなしです。
霧島山を訪れた際には、えびのエコミュージアムセンターに立ち寄ることをおすすめします。
えびのエコミュージアムセンターは、霧島山観光の拠点としてぜひ利用してください。
えびのエコミュージアムセンターの施設情報
えびのエコミュージアムセンター公式サイト https://ebino-ecomuseum.go.jp/
営業時間
9:00〜17:00
休館日
なし(年中無休)
入館料
無料
アクセス:宮崎県えびの市末永1495-5
・車
えびのICより約40分
・バス
丸尾→[霧島連山周遊バス30分]→えびの高原
取材・執筆:KOH