兵庫県

AQUARIUM × ART átoa (アトア)

神戸のベイエリアに誕生した、アクアリウムと舞台美術やデジタルアートの演出が融合した劇場型アクアリウム「átoa(アトア)」。約100種類3,000点もの生きものたちの展示と、独創的なアート空間が話題です。

神戸átoa(アトア)に行ってきた!アートとアクアリウムの新体験

神戸三宮駅徒歩圏内に誕生した都市型水族館「átoa(アトア)」の魅力を徹底取材!とっておきの見どころやお勧めの時間帯など、スタッフさんにお聞きしました!


画像:アトア提供

神戸に誕生した新しい劇場型アクアリウム「átoa(アトア)」(以下、アトア)は、神戸三宮駅から徒歩約18分、元町駅から徒歩約15分のアクセス。

ベイエリアの『神戸ポートミュージアム(KPM)』内に入る都市型水族館。2021年10月にオープンしたばかりの、注目の新ランドマークです。

一歩足を踏み入れるとそこはまるで別世界!

中は8つのゾーンに別れていて、それぞれまったく異なる世界観を楽しめます。

劇場型アクアリウムを存分に体験できる、代表的な2つのゾーンは、和の世界を表現する「MIYABI」と、

宇宙空間や深海の世界を表現する「PLANETS」。

アートに注目されがちですが、もちろん主役は生きものたち。

それぞれの生きものたちの造形美を引き立てる演出が施されています。

カフェメニューもかわいすぎて選べない!

そんなアトアの魅力や楽しみ方を、スタッフの中島さんに教えていただきました。

まるで別世界!五感で楽しむアクアリウム体験

中島さん、本日はよろしくお願いします!
さっそくですが、アトアの見どころはどんなところでしょうか。

アトアはアクアリウムと、舞台美術やデジタルアートが融合した劇場型アクアリウムです。

8つのゾーンに別れており、光、音、映像、香りなどの演出によってまったく異なる世界観を体験できます。
写真では伝えられない音楽、香りなども、五感で楽しんでいただけたらと思います。

アートに注目されがちですが生物展示にもこだわりが詰まっていて、魚類のほか、無脊椎動物や両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類など約100種類3,000点もの多様な生きものたちと出会うことができます。

元気いっぱいのカワウソや、のんびり癒されるカピバラ、フロア内をお散歩するアルダブラゾウガメが特に人気なんです。

光の演出などはインパクトがすごいですが、それだけじゃないんですね。
他にも、実は一般的な水族館とはここがちょっと違う、というポイントはありますか?

一般的な水族館の水槽は壁に埋め込んであるタイプが多いのですが、アトアでは独立した水槽が多く、様々な角度から生きものたちをご覧いただけるようになっています。

奥に隠れちゃって出てこない、とかよくありますよね。
せっかくなので、水槽をぐるりと回って色んな角度から生きものたちを楽しみたいと思います!

8つのゾーンの見どころを紹介!

CAVE-はじまりの洞窟

わぁ!キレイ!
入っていきなり幻想的な空間!

こちらは「CAVE-はじまりの洞窟」というゾーンです。
魚群をイメージした光の演出で、これから始まるアトアの世界へと誘います。

あれ?お魚の紹介はイラストなんですね。

写真のほうが一目で見つけやすいのですが、特徴に注目して探すことによって、より記憶に残るようイラストを採用しています。最初は少し見つけにくいかもしれませんが、ぜひ楽しんで探してみてください。

子どもたちと一緒に発見する体験も良い思い出になりそうですね。

MARINE NOTE-生命のゆらぎ

またさっきとはガラッと雰囲気が変わりました。
海の中にいるみたい。

こちらは「MARINE NOTE-生命のゆらぎ」というゾーンです。
光が差し込む海中を浮遊するような、ゆらぎの空間を楽しんでいただけます。

あ、香りが……

より世界観に没入していただけるよう、ゾーンによっては香りの演出も行っています。

たくさんのお魚がいますが、中島さんの「推し魚」とかいるんですか?

こちらの『イエローヘッドジョーフィッシュ』という黄色いお顔のお魚です。

この子たちは白い石の中の穴をお部屋のようにして暮らしているのですが、この石を一つずつ自分の口で運んで、自分で穴を掘るんです。せっせと運ぶ姿がとってもかわいくて。

あ、ほんとだ運んでますね!これはずっと見ていられる。
しかも…

顔も、めちゃかわいい(笑)

あ!チンアナゴだ!いっぱいいる!

こんなにたくさん顔を出してるのは、めずらしいです!
タイミングによってはお客さまから「本当にいるんですか?」と聞かれるぐらい、みんな土の中に潜ってしまってるときもあるんですよ。

生きものだからこればっかりは仕方ないですね…。

みんな同じ方向を向いてるのはなぜだかわかりますか?

なんでだろ。眩しいからでしょうか。

実は水流の影響で、餌が流れて来る方向が同じなんです。みんなで、餌が来る方を向いてるんですよ。

なにそれかわいい!(笑)
知れば知るほど、かわいらしく思えますね。

どこを撮ってもめちゃくちゃ映える…。
生きものの造形美を引き立てる演出になってるんですね。

この縦のお魚は元々こうなんですか?何かあってこうなるんですか?

元々こういう泳ぎ方なんです。
こちらは「ヘコアユ」というお魚で、「ヘコ」が逆さ、「アユ」が歩むを意味し、泳ぎ方から名づけられています。
魚名板にも解説があるので、ぜひ知るきっかけにしていただけたらと思います。

美しいだけじゃなく、興味を持ってもらえるよう考えられているのですね。

画像:アトア提供

ちなみに現在のフロアは神戸ポートミュージアムの2階なのですが、こちらの大きな水槽は1階のフードコートの天井までつながっていて、下から見上げられるようになっているんです。

天井が水槽なんてインパクトがすごい。
入場料がかからない1階でも水族館の雰囲気を楽しめるなんて、ちょっとお得ですね。

ELEMENTS-精霊の森

わ、海中世界から一転、次は森!

こちらは「ELEMENTS-精霊の森」というゾーンです。

ジャングルの生きものたちですか?

いえ。アトアでは国や生息地域で分類せず、世界観によって展示エリアを分けているんです。
こちらは森をイメージしていて、魚類だけでなく、両生類、爬虫類、哺乳類なども展示しています。

実際の生息エリアに縛られることなく、自由な発想で絵本の世界みたいな組み合わせ方なんですね。

こちらのゾーンには、とっても話題になった子がいるんですよ。

画像:アトア提供

こちらが、ハダカデバネズミです。
毛がなくてハダカみたいで、出っ歯のネズミ。見たままのネーミングですね。
この子をモチーフにしたスイートポテトのお土産を1階で販売していて、そちらがリアルでインパクトがあると話題になったんです。

リアル…興味ありすぎる…

こちらのゾーンですごく人気のアルダブラゾウガメです。
今はお部屋にいますが、ゾーン内を自由にお散歩することができるので、タイミングによっては歩いているところを間近でご覧いただけます。

足元を歩いて行くなんて、子どもたちもきっと興味津々ですよね。

こちらはパルマワラビーで、今年、赤ちゃんが誕生しました!
名前は「ウルル」です。
飼育員が選んだ候補名の中から、ご来場のお客さまに選んでいただいたんです。

誕生のニュースを見ていたり命名に参加できたりすると、より愛着が湧いて、元気にしているか様子を見に来たくなりますね。

成長の様子を一緒に見守っていただけたら嬉しいです。

ここまでが2階で、次はエレベーターで3階へ移動しますね。

まだ3ゾーンなのにすごい見応えです。エレベーターの模様もかわいいですね。

こちらはクロハコフグとタテジマキンチャクダイの成魚をイメージしたアートで、エレベーターの中は、それぞれの子どものころの模様になっているんですよ。

ベビーカーや車椅子の移動が安心なだけでなく、エレベーターに乗るだけで魚の成長について学べるなんておもしろい仕掛けですね。(中の模様はぜひ現地で!)

FOYER-探求の室

こちらは「FOYER-探求の室」というゾーンです。
知的好奇心を刺激するコミュニケーション空間となっていて、お子さまに人気のゾーンです。


完全なるフォトスポット!

こちらは標本を顕微鏡で見たり、書籍を読んだり、実際に手に取っていただける学びのコーナーです。
小さなお子さまも興味津々で見てくれています。

こちらは『ポルカドットスティングレイ』というエイです。

あ!おそろいですね!

そうなんです。
スタッフのユニフォームのデザインはポルカドットスティングレイをモチーフにしています。

よく見るといた!
アトアはアートな遊び心が随所に散りばめられているんですね。

MIYABI-和と灯の間

す、すごい!
映画や舞台の世界にまぎれ込んだような、圧巻の『和』空間。

こちらは「MIYABI-和と灯の間」というゾーンです。
舞台美術やデジタルアートを融合させたアトアのエンターテイメントを存分にご体験いただける、人気ゾーンです。

滝!

光の切り絵作家 酒井敦美さんによる、アトアオリジナル作品が映し出されています。

これぞ劇場型アクアリウムの真骨頂という感じですね。
見渡すかぎりどこを切り取っても世界観が作り込まれていて、異世界に迷い込んだよう。

あ、演出が秋になりました。

光で四季の移り変わりを表現…。
素敵すぎてずっとここにいたい…。

金魚の展示もそれぞれの造形美を引き立てる色彩でとても美しい。

夏は浴衣を着てこのゾーンで撮影したら最高に映えるんじゃないだろうか……お友達同士で……カップルで……ご家族で……

GALLERY-探求の回廊

こちらは「GALLERY-探求の回廊」というゾーンです。
五感で感じることができる展示空間で、こちらもお子さまに人気です。

今日のファッションに似たお魚を教えてくれたり、

漂流物で造られたアート作品に光を当ててみたり…(ある生きもの姿が浮かび上がります)

ペンギンのおしりの匂いを嗅いでみたり!

大人も子どももワイワイと盛り上がれる、楽しい仕掛けが盛りだくさんです。

SKYSHORE-空辺の庭

4階に移動しました。屋外なんですね。

はい。
こちらは「SKYSHORE-空辺の庭」というゾーンです。

屋外の開放的でのんびりとした雰囲気の中、人気のカピバラやペンギンたちの愛らしい姿をご覧いただけます。

今日は生憎の雨ですが、晴れていればベンチに座ってゆっくり過ごしたい空間ですね。

潮風を感じながら神戸港の景観を堪能していただける癒しのエリアですので、ぜひまた晴れた日にお越しいただけたら嬉しいです。

ぜひ!また来る楽しみにしておきますね!

幻想的でフォトジェニックな球体水槽

順路はMIYABIの次なのですが、アトアのシンボルともいえる球体水槽のゾーンを最後にご紹介お願いします!

はい。こちらは「PLANETS-奇跡の惑星」というゾーンです。
宇宙と深海をイメージしています。

Instagramなど、さまざまなところでこちらの水槽の写真を見ました。
実際見ると思ってたよりも大きく重厚感があって…息を呑むような美しさです。

こちらの球体水槽「AQUQ TERRA(アクアテラ)」は、日本最大規模で直径3メートルあります。
球体水槽を中心に360°全方位を包み込むミストとレーザーの演出は、ここでしかできない特別な体験だと思います。

たしかに。
幻想的で圧巻のエンターテイメントショーですね。

こちらのゾーンには、ゆっくり座れる椅子が用意されています。
この日もご年配の方や小さなお子さま連れのご家族が、椅子に座ってゆっくりとショーを楽しんでおられました。

若者のフォトスポットのようなイメージを持っていましたが、実際に訪れてイメージがガラリと変わりました。バリアフリーや椅子の設置など、幅広い年齢層の方が安心して楽しめる、優しいエンターテイメント施設です。

カフェメニューとお土産もかわいくて大人気

4階空辺の庭ゾーンにはカフェスタンドがあり、一休みに最適です。

メニューはどれも写真映え間違いなし。かわいくて選べない!

味わい深すぎる表情のカワウソクッキーもたまりません。

この日は人気のカワウソポテトをいただきました!
しっかりめのコンソメ味で美味しい。ポテトはシェアできるのが嬉しいですよね。

1階のショップにも、かわいいオリジナルグッズがたくさん!

こちらがウワサのスイートポテト!

妙にリアルでインパクトがすごい。
人気なのも納得です。

ポルカドットスティングレイをモチーフにしたクッキーもあります。
お土産もどれもかわいくて迷ってしまいます。

お勧めの時間帯、楽しみ方は?

一番混雑するのはやっぱり朝一の10時でしょうか。

そうですね。アトア内には軽食のカフェメニューはあるのですが、お食事していただけるレストランなどがありません。
そのため、10時から入場して午前中いっぱいアトアを楽しんでお昼ご飯の時間に退場される方と、お昼ご飯を食べてから入場される方の2回のピークがあるんです。

なるほど!みんな考えることは同じなんですね。
1階が雰囲気のいいフードコートだから、アトアを楽しんでから寄るか、食べてから入るか、どちらかにしたくなりますね。

なのでお昼13時頃から入られる方の波が移動したあと、15時以降のご入場だと比較的ゆっくりとご覧いただけます。
ただ、もっとお勧めの時間帯があって……
夜19時から21時の閉館までの時間帯が本当にお勧めです!

そんなに遅い時間まで開いてるんですか?知りませんでした!

そうなんです。
21時まで営業しているのですがあまり知られていないこともあり、天候などによっては空間演出を独占するようにお楽しみいただけます。

それはお得!
写真をゆっくり撮りたい方にもよさそうですね。

なるべく人が入らない写真を撮りたい方にも、ぜひお勧めしたいです。

カップルで訪れて球体水槽を永遠に見つめるデートもよさそう。

4階のテラスからは神戸港の夜景を楽しめますので、ぜひゆっくりされてください。

「アートがきっかけでも生きものに興味を持っていただけたら」スタッフさんは愛情たっぷり

あの…失礼になるかもしれないのですが…
ずっと気になってたことをお聞きしてもいいでしょうか。

なんでも聞いてください。

こちらは新しくできた水族館ですが、アートの部分と、水族館の運営は、別の会社なんでしょうか。どちらかを委託しているのかなって。

いえ、どちらも弊社で行っております。
アトアは新しい水族館ですが、会社としては長い水族館の運営歴があるため、飼育も館長も、水族館の運営経験者です。

そうだったのですね!
勝手なイメージで、オシャレな空間演出を作るけど生きもののことは全然知らない「アートディレクター」みたいなおじさんが仕切ってたりするのかなってちょっと思っていました。飼育は外部の人に投げてます、とか。

いえいえ(笑)
飼育も、営業も、弊社の社員です。
それぞれ仕事が違うので全てを把握しているわけではありませんが、スタッフ全体が同じ会社に所属するチームとしての一体感はあります。

アートの部分もスタッフが積極的に企画や意見を出したり、スタッフに向けてネーミングの募集があったり、恐らくご想像されているよりも遥かに、みんなで参加して作っていると思います。

すみません、激しい勘違いをしていました。

いえいえ。
私は入社がアトアのオープン前だったこともあってアトアに配属になりましたが、「水族館が好き!」という思いでこの会社に来ました。水族館のお仕事ができるなら、場所はどこでもOKという思いで。
みんな生きものが大好きです。

スタッフさんみなさん生きもの愛に溢れておられるのですね。

もちろんです!
館長も「きっかけはアートでもいい。足を運んでくださったことで少しでも生きものに興味を持っていただけたら嬉しい」といつも言っています。

興味を持っていただけたら、もっともっと深く知ることができる水族館が日本中にたくさんあります。興味を持った生きものたちに会いに、いろんな水族館を訪れていただけたらと思います。アトアがそのきっかけになれたら嬉しいです

自分たちの施設だけではなく、日本中の水族館へ思いを馳せていらっしゃるなんて……ちょっとジーンとしてしまいました。

と同時に自分の勘違いを猛省しました。本当にすみません。

次はお天気の日か夜に来て、今日とはまた違ったアトアを楽しみたいと思います。
本日はありがとうございました!

ありがとうございました。

またのお越しをお待ちしております!

AQUARIUM × ART átoa (アトア) 施設情報・詳細

営業時間

10:00-21:00
年中無休
※最終入場は閉館の60分前まで
※貸切等により営業時間を変更する場合があります
※メンテナンス休館日あり
詳しくは公式サイトをご確認ください。

入場料金

大人 2,400円
小学生 1,400円
幼児(3歳以上) 800円
3歳未満 無料
※価格変動期間あり

詳しくは公式サイトをご確認ください。

アクセス

〒650-0041 兵庫県神戸市中央区新港町7−2

Tel.078-771-9393

【電車でお越しの方】

  • 各線「三宮駅」から…南へ徒歩約18分(約1.4㎞)
  • 各線「元町駅」から…南へ徒歩約15分(約1.2㎞)

【バスでお越しの方】

  • 神姫バス「三宮駅前」よりポートループもしくはポートアイランド方面行き「新港町」下車すぐ

【お車でお越しの方】

  • 阪神高速3号神戸線「京橋出入口」から約1分
  • ハーバーハイウェイ「新港ランプ」から約1分

公式HP

 

取材・執筆:一之木 りさ