千葉県

大多喜天国 -面白 360°キャンプ場-

2021年5月にオープンした「大多喜天国 -面白 360°キャンプ場-」。何もない自然の豊かさを満喫する里山キャンプ場です。養老渓谷散策の拠点にもご活用ください!

“何もない”を楽しむ「大多喜天国 -面白360°キャンプ場-」に行ってみた!周辺スポットも紹介

千葉県大多喜町にオープンした「大多喜天国 -面白 360°キャンプ場-」を、管理人の「CHILLTIME軍曹」に案内してもらいました!


2021年5月、千葉県の大多喜町に新たなキャンプ場が誕生したと聞きつけ、現地までやってきました!

今回オープンしたのが、こちらの「大多喜天国 -面白 360°キャンプ場-」。都心からはアクアラインを通って車で約80分、周辺には養老渓谷や粟又の滝などがある養老川沿いにあるキャンプ場です。

それにしても「大多喜天国 -面白 360°キャンプ場-」とは、かなりインパクト強めな名称……!

一体どんなキャンプ場なのでしょうか?「CHILLTIME軍曹」こと管理人の一糸(いと)さんに案内してもらいました!

グランピングや整備されたキャンプ場にはない魅力

軍曹! 今日はよろしくお願いいたします。それにしても「大多喜天国 -面白 360°キャンプ場-」とはすごく目を引く名前ですね。

ここの住所が「大多喜町面白(おもじろ)360」なんですよ。だから、そのまま名称にしちゃいました。

へええ!

見晴らしも最高なんです。棚田だった場所をキャンプ場にしているのですが、360°パノラマとまではいかないけれど、高台からは面白の集落全体が見渡せます。最初に訪れたときに夕日を見て「天国じゃん」と思わず独り言が漏れてしまいました(笑)。

それで「大多喜天国」という名前になったんですね。そもそも、なぜこの場所にキャンプ場を?

やはり環境面は大きいですね。一年中温暖な気候で、養老渓谷をはじめ豊かな自然に囲まれています。キャンプ場を始めようと思っていろいろ検討していたのですが、最初に候補に挙がったのがこの辺りでした。

たしかに周囲は森に囲まれていて、鳥や虫たちがひっきりなしに鳴いています。キャンプ場というよりも里山を間借りしているような印象です。

最大の魅力は、自然との距離の近さです。グランピングや区画されたキャンプ場では味わえない「何もない」という自然の豊かさをあえて楽しんでもらいたいと思っています。

「何もない」ですか?

今の時代、完全に日常生活と切り離された場所でアウトドアを楽しむこと自体すごく難しくなってきているような気がします。手軽に自然の楽しさ、そして厳しさを味わうことのハードルはすごく高くなってきていると思うんですよね。

最近、電源付きのキャンプ場もたくさんありますもんね。そう考えると、「何もない」を味わえることは実は贅沢なのかもしれない。

テントサイトは棚田5段分あるのですが、いずれも区画などは一切していません。草も若干の手入れはしますが、基本的にはそのまま。でも、だからこそ、テントでは草の上に寝転ぶ気持ち良さをダイレクトに感じられるはずです。しかも、この辺りの土はもともと田んぼだったこともあり粘土質。ペグを打ちやすいこともポイントです。

それはめちゃくちゃ大事ですね!

もちろんキャンプ場として、最低限の設備は用意しています。まず、到着したらこちらの管理小屋でチェックインしていただき、荷物の搬入にはカートをご利用可能です。

上の方のテントサイトに機材を搬入の際、結構傾斜があるのが気になってたんですよね……。自分でカートを用意すると重いし、場所もとるので、借りられるのは超ありがたいです。

現在、もっと簡単に搬入できるように新たに通路を整えているので、こちらはもう少しお待ちください!

よろしくお願いします! あれ? 通路の脇に何かありますが……?

こちらは木製のブランコです。子どもたちに里山の空気を感じてもらうためにDIYで作ってみました。

「うお! 楽しい!」

つい童心に帰ってしまいますよね。

それにしてもブランコって作れるんですね……。

こちらにはハンモックも設置してみました。

「うん! いい感じ!」

日陰になっているので、木漏れ日と川からのそよ風を浴びながらのんびり昼寝なんて最高ですよ。

そうそう、こちらのトイレも作りました。

ええ? トイレもDIYで??

1〜2ヶ月かかっちゃいましたけどね。そこそこいい感じにできました。

そこそこだなんてとんでもない! めちゃくちゃきれいじゃないですか! キャンプ場はトイレがイマイチだとショックなので、すごく嬉しい!

水まわりだと、1段目のテントサイトに洗い場を用意しています。タンクの水は飲用ではありませんが、水洗いなどにご利用いただけます。また、先日水道も開通したので、そちらは飲用としてもご利用可能ですよ。

ちなみに最寄りのスーパーやコンビニ、ホームセンターまではどのくらいですか?

車で5分のところに太田商店というスーパーがあり、大抵のものはそこで揃います。コンビニやホームセンターはいずれも車で20分圏内です。

意外と近い! それなら買い出しも安心ですね。

CHILLTIME軍曹おすすめのキャンプ場周辺スポット

キャンプ場でのんびり過ごすのも楽しそうですが、ここを拠点に周辺へお出かけするのも楽しそうです。どこかおすすめはありますか?

それでいうと……ちょっとついてきてください。

??

道路を渡って、この坂を下って、茂みを抜けると……

おお!

実は地元の方に教えてもらった穴場スポットなんです。このあたりで川遊びといえば、少し上流にある粟又の滝周辺が有名なのですが、夏場はやっぱり混み合う。でも、ここならほぼ貸し切り状態で楽しめます。

プライベートビーチならぬ、プライベートリバーだ。

水深も深くないので子どもでも安心。少し下流に行けば飛び込みスポットもありますよ。

夏休みの思い出として最高じゃないですか……!

でしょ? ところで、少しお腹空きませんか?

おっ! 空きました、空きました。

よし! じゃあ軽くいきましょう! ささ、車に乗って……

おお! 渋い佇まい!

小湊鉄道の養老渓谷駅近くなので、キャンプ場からは車で10分ほどかかるのですが、「兼龍」は僕のお気に入りのラーメン屋なんです。

川遊びでクールダウンした体にラーメンだなんて、完璧じゃないか!

僕がいつも注文するのは、チャーシューメンと餃子です。

うわ! ラーメンの丼がでかい!!

「ズズズっ!!」

どうですか?

めちゃくちゃ美味しい……また、このお店の雰囲気がいいですね。田舎のおばあちゃん家みたい。

餃子も最高なんですよ。

ホントだ! 野菜メインで軽いんだけど、ニンニクや生姜が効いていて! いや〜大満足でした!

じゃあ、もう一軒いきましょうか!

ここは先ほど話に出た粟又の滝の近くですね。すごいオシャレな建物に、たくさんのお客さんが……。

「山里のジェラテリア 山猫」は、人気のジェラート屋さんです。

メニューも「とうもろこしソルベ」や「南瓜みるく」などすごい珍しいですね!

千葉県産で、なるべく農薬を使用せずに育てたフルーツや野菜を使っているんですよ。

「白いチョコミント」と「とうもろこしソルベ」を注文してみました! どれどれ……うん! チョコミントはミントの香りがすごいフレッシュで爽快感がすごい! で……ああ〜コーンも美味しい! 自然で優しい甘さが染みます〜!!

完全予約制のかき氷もめちゃくちゃウマいんですよ。ぜひ次回はかき氷も試してみてください!

そして、お風呂は同じく粟又の滝近くにある「ごりやくの湯」をどうぞ。

キャンプってお風呂問題が悩みの種なんですよね。車で5分圏内に温泉があるなんて最高じゃないですか。

自然に囲まれながら浸かる露天風呂はめちゃくちゃ気持ちいいですよ。周辺にはハイキングコースもあるし、館内レストランもあるので、超おすすめです。

最後にご紹介したいのは、こちらの「旧老川小学校」です。

え、ここ小学校なんですか?

老川小学校は2013年に廃校になってしまったのですが、今は無印良品の「ローカルニッポン」というプロジェクトによって地域のコミュニティースペースとして運用されています。

小学校とは思えないほど、建物がきれいですね。たしかに活用しない手はないかも。

こちらはコワーキングスペース。1日500円で利用でき、もちろんWiFiや複合機もあるので、静かなところで仕事したい方にはおすすめです。僕もたまに立ち寄っています。

絶対に嫌だけど、万が一キャンプ中に仕事しなければいけないときは利用できますね。絶対に嫌だけど。

ほかにもプロ顔負けの設備を利用できる厨房施設などもあるので、みんなでお菓子づくりしてみるのもいいかもしれませんね。さ、じゃあキャンプ場に戻りましょうか。

「何もない」を体験する一泊を

養老川流域をいろいろご紹介してきましたがいかがでしたか?

川遊び、グルメ、温泉、さらにはコワーキングスペースまで……。正直、こんなにポテンシャルが高いとは思いませんでした……! まだこのキャンプ場はできたばかりですが、場内では野菜も育てているんですよね。

まだまだ始めたばかりですけど、カボチャにナス、枝豆にサツマイモ、とうもろこし、シソ、その他ハーブなどを育てています。

ということは、いずれ?

そうですね。バーベキューで採れたての野菜を味わってもらいたいですね。

今後はどのように運営していきたいと思っていますか?

地元の人たちと地元以外から来る人たちのコミュニティースペースのような場所にしていきたいと思っています。たとえばこのあたりで採れた山菜を調理したものを販売したり、里山散策のワークショップを開催したり。ミニサイズのキャンプフェスを企画しても楽しいかもしれません。

めちゃくちゃ楽しそう!

ありがたいことに地元の人たちもすごく歓迎してくれていて。「里山に子どもたちの笑い声がこだまするようになって嬉しい」と喜んでくれています。だから、キャンプはしなくても、フラッと立ち寄れるような場所にして、交流を生み出していきたいですね。

先日、「ソーメンキャンプ」と銘打って開催された流しソーメンイベントもめちゃくちゃ楽しそうでしたね。特にどういった方たちに来てほしいと思っていますか?

やはり小さな子どもがいるファミリー層ですね。特に都会で暮らしているような方たち。土をいじったり、虫を捕まえたりって自然と切り離された都会じゃなかなかできないじゃないですか。

絶対にいい思い出になると思います。

自然と一体化したような場所でのキャンプは防災意識の向上にもつながると思っていて。「何もない」を知ることは、すごく意味があるような気がしています。

「スイッチを押せば電気がつく、蛇口をひねれば水が出るが当たり前ではない」ってなかなか教える機会はないですもんね。

それに子どもは遊びの天才です。何もなければ何もないで、子どもたちは自分たちで遊びを創造します。子どもたちには存分にクリエイティビティーを発揮してもらい、一緒に里山での過ごし方を考えていきたいですね。

可能性は無限大ですね。これからが楽しみです。

ありがとうございます。あ、そろそろ夕日の時間です。一番上のサイトまで見にいきましょう。

いやぁ……言葉が出ないですね……! これが「チル」ってやつですか……!

ね、天国でしょ? ぜひ今度はプライベートで遊びに来てくださいね。

大多喜天国 -面白360°キャンプ場- 施設情報

大多喜天国 -面白360°キャンプ場- 公式サイト https://otakitengoku.com/

施設利用案内

料金システム
平日 990円〜/1名
週末 2,090円〜/1名
連休 3,190円〜/1名
※フリーサイト 最大8m×8m、1サイト5名まで
電話番号 080-1194-4870
メール gunsou@otakitengoku.com

アクセス

〒298-0279 千葉県夷隅郡大多喜町面白360

車の場合
都内からアクアライン経由で約80分。圏央道・木更津東ICより車で約30分
公共交通機関の場合
小湊鉄道 養老渓谷駅よりバス(粟又・ごりやくの湯行き)で面白バス停下車約10分

取材・執筆:田中嘉人