神田ポートビル
神田ポートビルは、1964年に建てられた印刷会社の社屋をリノベーションし、2021年4月26日にオープン。歴史と文化の積み重なった神田錦町という場所を背景に、アカデミック×ウェルビーイングをテーマにした新しい複合施設です。
世界にひとつのIKE SAUNA!神田ポートビルに行ってみたら、サウナ好きの夢があった
東京の神田錦町に2021年4月にオープンした「神田ポートビル」の全テナントを取材してきました!世界にひとつのIKE SAUNAがある「SaunaLab Kanda」を始め、特色あるテナントの魅力を聞きました。
目次
2021年4月26日にオープンした神田ポートビル。東京メトロ「神保町駅」から徒歩5分ほどの「神田錦町」と呼ばれるエリアにあります。
1964年に建てられた印刷会社の社屋をリノベーションした神田ポートビルは、歴史と文化の積み重なった神田錦町という場所を背景に、アカデミック×ウェルビーイングをテーマにした新しい複合施設です。
今回はそんな神田ポートビルの魅力を知るべく、「神田ポート」プロデューサーでもある株式会社ゆかいの小林知典さんにお話をうかがいました!
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神田ポートビルってどんな場所?
はじめまして。いきなり茶室に呼ばれてビックリしたんですが、まずは施設の概要を教えてください。
はい、神田ポートビルはもともと神田で100年も印刷業を営んできた「精興社」さんのビルなんです。1棟で使われていたのですが、地元で街づくりに力を入れている安田不動産がリノベーションして、各テナントに貸し出しているかたちになります。精興社さんは現在も4~6階に入っているんですよ。
地下がサウナで、
2、3階が「ほぼ日の學校」というスタジオ、
そして1階は写真館とカフェ、物販コーナー、イベントスペースになっています。
神田ポートビルならではの特徴はありますか?
はい、神田ポートビルが建つ神田錦町は、歴史と文化が積み重なった町です。東京大学や学習院大学など、数多くの学校の発祥の地でもあり、古くからカルチャーやアカデミズムと縁の深い場所なんですよ。
この町ならではのテーマを据え、ビルと町が一体になって発展していこうと取り組んでいるのが特徴だと思います。
なるほど。
建物自体も耐震補強や、リノベーションはされていますが、建て替えたわけではありません。1964年に建てられたビルの歴史を大事にしています。
もともとはどのようなビルだったのですか?
はい、地下は印刷した版画を置いておく書庫として使われていました。2階から上は事務所で、1階は紙を運び入れるための車庫的な空間でした。
道路に面した壁はいまはガラス張りになっていますが、昔はシャッターになっていて、そこからトラックが紙を運び入れていたそうです。当時の姿がイメージできるよう、シャッターボックスの名残を残してあるんです。
取り外し忘れたのかなと思っていましたが、これはわざと残してあるんですね!
ほかにも、屋上にはこのビルを新築した当時の上棟式で使われたお守りを飾っています。
この地で長くお仕事をされている「精興社」さんにも残っていただいているので、その香りを消すことなく、より深く感じることができるようにと思っています。
それでは、各テナントを順番にご案内します。
よろしくお願いいたします!
1階はカフェや物販コーナー、写真館やイベントも
まずは1階をご案内します。こちらは写真館とカフェ、物販コーナー、イベントスペースになっています。
えっ、このスペースでそんなに多くのテナントが入っているんですか?
今日はイベントが行われているので、設営がされている状態ですが、スペースの間仕切りを閉じれば本格的な写真館ができるようになっています。イベントのある日は写真館はお休みですね。
1階のレイアウトはイベントの設営がしやすいように、稼働する家具で設えてあります。今後もいろんなイベントをやっていく予定なので、ぜひ楽しみにしていてください。
なるほど、スペースを有効活用できるように考えられているんですね。こちらの物販コーナーはどんなものが売っているんですか?
はい、我々の会社「ゆかい」は写真館とイベントを担当しているのですが、そのご縁で全国のサウナ好きのクリエイターさんからいろんな商品をご提供いただいて販売しています。
サウナハットや香りのする扇子などもありますよ。
香りのする扇子ですか!? なんてセンスのいいアイテムが……!
ハハハ……。かぐとちょっと甘い香りがします。ぜひ実際に手に取っていだたきたいですね。
そして、こちら側のゾーンが 「ほぼ日」さんの方で売られているものたちです。ほぼ日刊イトイ新聞などを運営している糸井重里さんの会社ですね。タオルや化粧品、肌触りの良い下着など、サウナに少し絡んだものをメインに販売しています。
隣にコーヒーがあるのはなんですか?
これは地下のサウナ「SaunaLab Kanda」を運営している「ウェルビー」さんとほぼ日さんがコラボをして作った「サウナブレンド」という商品です。サウナの後に飲みたくなるコーヒーをイメージしていて、少し酸味があるのが特徴です。
これは隣のカフェコーナーでも販売をしていて、実際にサウナに入った後に飲むことができるんです。
その場でも飲めるのはうれしいですね。
今は緊急事態宣言が続いているので提供できないですが、こちらのカフェ「KITCHEN SAUNA」では「マッカラ」というスモークソーセージやサーモンスープ、SHAKEサンドといったフィンランド料理も提供しながら運営していく予定です。
サウナとカフェが一体になって盛り上げているのですね!
そうです。テナントと運営会社がバラバラに活動するのではなく、パートナーとして一緒に神田ポートを盛り立てています。
あと、カフェの椅子は活字をイメージして作られているんですよ。
これも印刷会社さんからのイメージですね。なるほど……!
地下1階は「SaunaLab Kanda」
それでは地下の「SaunaLab Kanda」に行きましょう。その前に、この文字は何と書いてあるかわかりますか? サウナ以外に、もうひとつひらがなで何かが書いてあります。
わかりましたよ、「ととのう」ですね!
正解です! これを見て「ととのう」と読めれば立派なサウナーです。
階段を降りると受付です。サウナは1枠90分で、1人2700円になります。男性用が「OKEサウナ」女性用が「IKEサウナ」という名前がついています。水曜日だけ男女入れ替えになるので、ぜひ水曜日にも訪れてほしいですね。
おおー! サウナ好きとしてはぜひとも両方抑えておきたいところですね! このサウナの特徴は何があるんですか?
はい。「SaunaLab Kanda」は浴槽がないのが特徴です。水風呂の代わりに「アイスサウナ」というフィンランドの夜を再現した冷凍庫のような空間があります。
室温はマイナス25度に設定してあるので、サウナに入った後はそこでクールダウンをしていただいて、空いているスペースで休憩していただきます。
マイナス25度の世界って、昔よく遊園地にあったやつですね。
ありましたね(笑) あと、「SaunaLab Kanda」運営元のウェルビーさんが世界中を渡り歩いて手に入れてきたいろいろなサウナグッズを展示販売しているコーナーも必見です。
フィンランドの作家さんが作ったハンドメイドのサウナハットなどを販売しています。
野菜みたいなかたちでかわいいですね。子どもにも似合いそう!
あとはサウナーの三種の神器、桶とひしゃく、ヴィヒタもあります。熟練のサウナーは家に置いておいて、ひしゃくを握っただけでととのうらしいです。
ヴィヒタというのは何ですか?
ヴィヒタは白樺の枝を束ねたものですね。サウナや浴室で身体を叩くように使うんです。ご自宅でサウナ気分が味わえますよ。
なるほど……。
また、もうひとつの特徴として、「休むこと」をメインのコンセプトに据えているので、休憩スペースも非常に広く取っています。
フィンランドのサウナの起源は地中に穴を掘って作ったのが始まりと言われているんですが、こちらもビルの地下なので、壁を土っぽい素材にして、地中空間にサウナ小屋が並んでるイメージで作っています。
OKEサウナとは?
まずは男性用の「OKEサウナ」から行きましょうか。こちらがロッカールームです。
あれ、一般的なスポーツジム などのサウナだとロッカーの真ん中にベンチが置いてありますが、ここではロッカーの前に段差があるんですね?
そうなんです。ロッカーの前にひと座りできるスペースを確保して、ゆったりできるように作ってあります。フィンランドのサウナでは割とスタンダードなスタイルなんですよ。
サウナ内は館内着に着替えていただいても大丈夫ですし、裸でも大丈夫です。
サウナ部屋が3つ並んでいますが、家と桶と小屋みたいな外観ですね。だから「OKEサウナ」なんだ!
はい。手前はオーソドックスなフィンランド式サウナになっていて、日本のサウナは室温が100℃前後でちょっと暑いんですけど、フィンランド式サウナは 70℃前後で湿度が高めなんです。
サウナストーンにアロマ水をかけて楽しむサウナになっています。蒸気を浴びるために、日本のサウナと比べて天井が低く設定されているのも特徴ですね。頭をぶつけないようにしてください。
続いては……やはりOKEサウナが気になりますが、なぜこんなものを?
サウナ三種の神器のひとつ、桶。それに入るのがサウナ好きの夢! ということで作りました。
一般的なサウナ室は四角い形をしているんですが、ここは桶なので円柱型のサウナなんですよ。なので、蒸気のまわり方がちょっと違うんです。設定の温度自体は変わらないんですが、天井が高いので、熱めに感じるかもしれませんね。
続いてはこちら「から風呂」です。ここは壁を左官で仕上げているほか、床も畳敷きになっていて、あぐらをかいて座っていただく瞑想ルームみたいな感じになっています。
ひとりでじっくり味わうようなサウナですね。
はい。そして最後はマイナス25度のアイスサウナです。
寒い! 床に敷いてあるのは毛皮ですか?
そうです。トナカイの毛皮を敷いています。普通の毛皮だと凍ってしまうんですけどトナカイは雪国にいるので凍らないんです。
踏んだ感触も独特で、不思議な感じがしますね。ぜひとも読者のみなさんに体験していただきたい……!
世界初!? IKEサウナ
続いては「IKEサウナ」ですね。こちらも部屋が3つあるのですが、ここには日本初と言うか世界初のサウナがあるんですよ。
えーっ! 世界初!?
「から風呂」をさらに進化させた「IKEサウナ」です。畳敷きの床は寝っ転がることもできますし、座ることもできます。また、壁側に水を流していて、水音が聞こえたり水を照らす照明がゆらめいたり、より瞑想ができる部屋になっています。
すごい……これはもう完璧にととのってしまう……! この水の音を実際に読者の方にも来て体験していただきたいですね。
ありがとうございます。男性の方もぜひ水曜日を狙って来ていただければ。
ちなみに、このお水は熱くありませんか?
常に流れているので、ぬるいぐらいの温度ですね。触っても大丈夫です。
続いて、こちらはサウナ室じゃないんですけど、サウナ後のクールダウンのためのお部屋です。本来なら外気浴がおすすめなんですが、ここはビルの中なので内気浴です。気流を感じるような休憩ゾーンを作ったらどうかということで、ハーブを人工照明で育てて、自然を再現しました。
マスク越しでもすごくハーブの香りがします! すごい!
特に人工の香料は入れてなくて、自然の香りだけで森を感じることができるようになっています。
サウナ入った後に感覚が研ぎ澄まされているので、より鮮明に感じるかもしれませんね。
実はこの空間は「SaunaLab Kanda」を運営するウェルビーの米田社長が泥だらけになりながらおひとりで作られたんですよ。自分の頭の中は他の誰も再現できないからとおっしゃって。
サウナに対する熱意がすごすぎる……!
他の階は今後が楽しみ
ほかのスペースもご紹介しましょう。2階と3階は「ほぼ日の學校」のスタジオになっています。いまはまだサービス開始前なんですが、こちらへ生徒さんに来ていただいて、さまざまな授業を受けていただき、また同時にそれをアプリで配信していく学びの場です。
学校のような、映画館のようなノスタルジックな雰囲気ですね。
あと、生徒さんがみんなで談笑しながら教室で得た学びを落とし込んでいただけるように、休憩するスペースを広くとっています。
サービス開始が楽しみですね。一般のお客さんも入れるんですか?
そうですね、サービス開始後は予約制で入場いただける予定です。
そして屋上はウッドデッキになっていて、サウナベンチを模したベンチが置いてあります。
ヴィヒタに使えるような、いい香りのする木を植えているので、成長したらそれを切って、物干し竿に干して、下のサウナに使えるというコンセプトになっています。
すごい! ではいつの日か下のショップに自家製ヴィヒタが並ぶ可能性があるんですね!
そうですね。ゆくゆくはテントサウナのイベントなんかができたらいいなと思っています。
以上が神田ポートビルの全テナントです!
ありがとうございました。各テナントさんと一緒に作り上げてきた信頼関係を感じました。ここでしかできない体験ができるので、わざわざ足を伸ばして来たい場所だと思いました。
まだできたばかりですし、今後のさらなる展開にも期待大ですね! 本日はありがとうございました!
神田ポートビル 施設情報・アクセス
公式サイト:https://www.kandaport.jp/
【住所】
〒101-0054
東京都千代田区神田錦町3-9
【営業時間・定休日】
営業時間:11:30~21:00
※最新情報は上記公式サイトからご確認ください。
【アクセス】
・電車:東京メトロ半蔵門線、都営新宿線、都営三田線「神保町」A9出口より徒歩3分
東京メトロ東西線「竹橋」3b出口より徒歩3分
取材・執筆:少年B
編集:レクリム編集部