MANGA ART HOTEL, TOKYO (マンガアートホテルトーキョー)
一晩中マンガが読める「漫泊(まんぱく)」をテーマにしたコンセプト型のカプセルホテル。アートの観点から厳選された5,000冊の作品には、すべてにホテルスタッフのおすすめコメントが添えられていて、未知との出会いを楽しめます。2022年6月からは全室にコアラマットレスが導入され、より快適な空間に。
5,000冊のマンガが一晩中読み放題!マンガアートホテルで「漫泊」体験
2019年2月、東京神保町エリアにオープンした「MANGA ART HOTEL, TOKYO (マンガアートホテルトーキョー)」。5,000冊の作品が収められた空間で一晩中マンガの世界に浸れる「眠れないホテル」です。そんなホテルに今年6月から「コアラマットレス」が全室に導入。ライターがさっそく宿泊体験をしてきました!
目次
みなさん、人生で一度は「マンガを読む手が止まらない」「一晩中マンガを読みたい!」と思ったことはありませんか?
そんな夢を存分に叶えてくれるのが、東京の神保町エリアに2019年オープンした「MANGA ART HOTEL, TOKYO (以下、マンガアートホテル)」です。5,000冊の作品が収められたコンセプト型のカプセルホテルで、本棚から気の向くまま、気になる作品を手に取って一晩中マンガ体験を楽しむことができます。
そんなマンガの世界にどっぷりと浸れる「眠れないホテル」に、なんと今年6月から近年話題の寝具ブランド「コアラ」のマットレス&ピローが全室に導入されました!
マンガを読みたいから眠れないのか? それとも、快適な空間で眠ってしまうのか……?
その勝負(?)の行方を確かめに、ライターが宿泊体験をしてきました!
「一晩中マンガ体験」を叶えるコンセプトホテル
今回宿泊する「マンガアートホテル」は、都営新宿線の小川町駅から徒歩3分ほどの商業ビル「神田テラス」の4、5階にあります。
チェックインをするには、まずエレベーターで5階のフロントへ。基本的にフロントは無人のため、自分で手続きを行います。
宿泊者情報などを紙に記入したあとは、タブレットから窓口にいるスタッフさんにテレビ電話をつなぎ、事前に届いていたメールに書かれている予約番号を伝えるなどして、一通りの手続きを済ませます。
少しモタついてしまいましたが、タブレットの前には手順が書かれた説明書があるのと、スタッフさんが画面越しに説明してくれたので問題なく済ませられました!
チェックインが終わったらさっそく館内へ。宿泊フロアは男性フロアが5階、女性フロアが4階と分かれています。各フロアの扉はオートロックになっていて、セキュリティにも配慮されていました。
それでは、お待ちかねの宿泊フロアへ行ってみます!
5,000冊のマンガに囲まれる至福の空間
宿泊フロアに入ってみると、なんと壁という壁がマンガの本棚になっていました!
上も、前も、後ろも……とにかく見渡す限りマンガに囲まれています。マンガ好きには夢のような空間ですね。
そしてマンガの中に埋もれるように、ひっそりとカプセルタイプの部屋が配置されています。上段の部屋はハシゴで上がれるようになっていて秘密基地みたい!
この空間を見ていると「ここは本当にマンガが主役の場所なんだな」と実感します。
このホテルにある5,000冊のマンガは、広い意味での「アート」という観点から選び抜かれた作品たち。筆者は王道系のマンガを読むことが多いため、本棚を眺めて「見たことがない作品ばかりだな~」と感じました。
それもそのはず、あえて有名作品はあまり扱わないそう。知名度に限らず作品の世界観や内容、装丁の美しさなどあらゆる視点から厳選されているので、書店やマンガ喫茶などではなかなか見つからない作品と出合うことができるんです。
さらに作品は随時入れ替わるため、何度訪れても新たな作品との出合いが待っています。
また、すべての作品にマンガを選書したホテルスタッフさんたちによる「おすすめ文」が書かれているのもポイント。どれを読もうか迷ってしまうときには、この文を読んでおけば間違いなさそう。
もちろん、直感で気になる作品を手に取るのもよし。とにかく気になる作品をひたすら読み倒しましょう~!
また、男性フロアと女性フロアでは置いているマンガのテイストが異なります。各フロアは12時から19時まで行き来が自由なので、他のフロアに気になる作品があるときは、時間内に行ってみてくださいね。
さらに意外と知られていないのが、気に入った作品はその場で購入ができること。家に帰ってから、すぐにまた作品の世界に浸れるのはうれしい!
6月からは全室に「コアラマットレス」を導入
そして今年6月からは、全35部屋のすべてにオーストラリア発の寝具ブランド「コアラ」のマットレス&ピローが導入されました。
2017年に日本へ上陸した「コアラ」ブランド。CMやメディアで見かけたことがある人もいると思いますが、コアラマットレスで実際に一晩寝ることができるのは都内でも貴重です。
ホテルでは、8部屋あるセミダブルルームに「コアラ」ブランドの上陸当初からある「オリジナルコアラマットレス」を、27部屋あるシングルルームには2021年夏に発売されたばかりの「New コアラマットレス」を導入したとのこと。
今回筆者が泊まる部屋にも導入されている「New コアラマットレス」。今までの「コアラマットレス」の特徴であった低反発と高反発を組み合わせた、硬すぎず柔らかすぎないマットレスはそのままに、リバーシブルになっているマットレスをひっくり返せば、好みによって硬さや寝心地を変えられるんだそう(今回はホテルなのでマットレスはひっくり返せません!)。
宿泊中はほとんどマットレスの上で過ごす人が多いので、体が疲れないマットレスはかなり魅力的。カプセルホテルで、この待遇は贅沢すぎます!
さらにコアラブランドのマットレス&ピローの導入にちなみ、6月は期間限定で「睡眠」に関するマンガが集められた選書コーナーも登場しました。
一方、女性フロアには6月の間、「June bride」にちなみ結婚をさまざまな角度から切り取った作品たちが並べられた「結婚の正体を考える」コーナーが出現。このように、季節やイベントによって変化する特設コーナーも見どころです。
いざ、「漫泊」を体験!
自分の部屋番号を見つけたら、いよいよ一晩中マンガの世界に浸る「漫泊」が幕をあけます!
部屋の広さは、イメージしていたよりも窮屈な印象は受けませんでした。実際に寝そべるには十分なスペースで、体育座りしても少し余裕があるくらい(ただし筆者の身長が152cmと小柄な方なので、もっと身長が高い人には少し狭く感じるかもしれません)。
なので、部屋にいるときは基本的に体育座り or 寝そべるスタイルが良さそう。
部屋の中にある棚には、コンセントとミニ扇風機、貴重品を入れる金庫が備わっていました。スマホの充電や貴重品の管理は問題なし!
マンガが読めるのは自分の部屋のほか、共用スペースか屋外のテラスでもOK。気分転換がてら、使ってみるのもおすすめです。
また、部屋にはキャップがついたペットボトル以外の飲食物の持ち込みができないので、お腹が空いたら外でご飯を食べましょう。神保町エリアには飲食店がたくさんあるので、お散策がてらお店を探すのも楽しいですよ!
ちなみにホテル周辺には一人でも入りやすそうなラーメン屋さんがたくさんある印象でした。
さらにホテルにはバスタオルや歯ブラシ、カミソリ、耳栓など一通りのアメニティが揃っていて、すべて無料で使うことができます。
パジャマは、上下セット500円でレンタルが可能。5階にあるボックスにお金を入れるか、PayPayでの支払いができます。パジャマはレンタルの数に限りがあるので、自分でも持っていく方が安心かも?
そのほか必要なものがあれば、ホテル周辺にはコンビニやドラッグストアがあるのですぐに調達ができますよ。
トイレは、フロア内に4つあるので足りなくなる心配はなさそう。2019年にオープンしたばかりということもあり、清潔感がありました。
フロアには他に、シャワールームと洗面所が完備。シャワールームの脱衣所のドアは鍵がかけられるようになっているので安心感がありました。洗面所はスタイリッシュな雰囲気で、各洗面台にはドライヤーも備わっています。
ここからはマンガタイム。マンガは、一度に5冊まで自分の部屋に持ち込むことができます。気になるマンガはどんどん手に取って読んでみましょう!
部屋は完全個室ではないですが、カーテンで仕切られているので周りが気にならず、意外と落ち着きます。そして一番驚いたのが、ホテルの中がものすごく静かなこと!!
スタッフさんいわく、満室でもマンガのページをめくる音だけが聞こえてくるほど静かなときもあるのだとか。それだけ、このホテルに来る人は「ガチ」でマンガを読みに来る人たちなんですね。
あとは、この空間にくると気になる作品ばかりで自然と「これが読みたい!」「次はこれを読もう!」とマンガに没頭してしまうんです。筆者もホテルに来る前は「部屋でちょっとパソコン作業もしようかな……」なんて思っていましたが、結局一度もパソコンは開きませんでした。
そんな筆者が読んだ中で印象に残った作品が、「結婚の正体を考える」の選書コーナーにあった『にこたま』です。30歳直前の男女が結婚・出産・子育てなどの悩みに直面する作品で、同世代の自分の心にグサグサと響くシーンがたくさんありました……! 5巻完結なので、ほどよい長さで読みやすいのもよかったです。
その後もいくつかの作品を読み進め、だんだん夜が更けてくると「読みたい、けど眠たい」「読みたい、けど眠たい……」という葛藤を繰り返しながら過ごしました。
そして気になる「眠れない」のか、「眠ってしまう」かの勝負の行方ですが……筆者は朝までしっかりと眠りました!(惨敗)
コアラマットレスの心地よさ、おそるべし。座っていても寝そべっていても、ちょうどよい反発で体の負荷を減らしてくれるので、ノーストレスでした。いつも朝起きるとなんとなく体のだるさがあるのですが、この日は目が覚めても体が軽かったような気がします。
長時間、同じ姿勢でいることが多い「漫泊」との相性もぴったりです!
そして宿泊した一番の感想は「時間が足りない!!」ということ。とにかく次から次へと読みたい作品が出てくるので、本気でマンガの世界に浸るなら連泊がいいのかも。
また、男性フロアにも読みたい作品があったものの、別のマンガに夢中になっていてフロアを移動できる時間を過ぎてしまったのが悔やまれます……。別フロアのマンガも読みたいと思っている人は、あっという間に時間が過ぎるので最速の15時にチェックインするのがおすすめです。
最近はなんとなく、時間を忘れて何かをすることが少なくなっていたのですが、この一晩で「没頭」することの楽しさを思い出せた気がします!
みなさんも、さらに快適になった「マンガアートホテルトーキョー」で「漫泊」を体験してみてくださいね。
「マンガアートホテルトーキョー」施設詳細、アクセス
公式HP:https://mangaarthotel.com/
所在地
東京都千代田区神田錦町1-14-13 LANDPOOL KANDA TERRACE 5F
アクセス
都営新宿線「小川町駅」B7出口より徒歩1分
東京メトロ丸ノ内線「淡路町駅」B7出口より徒歩1分
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」B7出口より徒歩1分
東京メトロ半蔵門線「神保町駅」A9出口より徒歩7分
※「コアラ」公式HP:https://koala.com/ja-jp
取材・執筆:稲垣恵美