小田原城址公園
都心からほど近い城下町・小田原でもっとも有名な観光スポット。城跡は国の史跡にも指定されています。再建された天守閣のほか、こども遊園地やNINJA館・SAMURAI館、四季折々の花など、見どころ満載! 歴史と自然に触れられる城址公園です。
豊かな自然と歴史を味わう。お城だけじゃない「小田原城址公園」の魅力
お城マニアの間でも人気の小田原城。日本史にもお城にも疎いライターが、小田原城址公園に行ってきました。天守閣だけじゃない、その魅力とは……?
目次
都心から1時間と少しで行ける城下町・小田原。そんな小田原でもっとも有名な観光スポットといえば「小田原城址公園(おだわらじょうしこうえん)」です。
小田原城跡は、国の史跡に指定されている貴重な場所。ですが、小田原城址公園の魅力はお城だけではありません。
レトロなこども遊園地があったり……
遊びながら学べる「NINJA館」や「SAMURAI館」があったり……
お花見やピクニックに最適だったりと、楽しみ方はさまざま。ファミリーで丸一日遊べちゃう公園なんです!
場所は小田原駅から徒歩10分。都心から、ロマンスカーなら約1時間、新幹線で約35分です。
今回は、小田原市観光協会の渡辺さんにお話を伺いました。
突然ですが、小田原の魅力を教えてください。
小田原は歴史に触れられる街です。歴史に興味がある方はもちろん、たまたま小田原に立ち寄った方も、小田原城に来れば歴史を体感することができます。
実は、お城や日本史に疎いのですが……。
天守閣の中にさまざまな展示やクイズコーナーがあるので、よかったら楽しみながら知ってください。それに、小田原城址公園はほかにも遊び場がたくさんあるので、予備知識がなくても楽しめますよ。
それでは、渡辺さんに小田原城址公園を案内していただきましょう!
難攻不落の小田原城「天守閣」
まずは天守閣へ。小田原城は、石垣からの高さが全国のお城で7位を誇るそうです。
真っ白な壁が空に映えますね!
夜はライトアップされたお城が綺麗ですよ。
現在はおこなっていませんが、お城の壁にプロジェクションマッピングを投影するイベントをしたこともあるそう。
ライトアップスケジュールはこちら
階段をのぼると、天守閣の入口兼チケット売り場。
天守閣は5階がバルコニーのようになっていて、外に出ることができます。その展望スペースを「天守閣」だと思っている方も多いですが、この建物全体が「天守閣」です。
そもそも「天守閣」って本丸に築いたひときわ高い建物ってことですもんね。
そうです! 防戦や指揮などの軍事的役割のほか、城主の権威を象徴する意味合いもあるんですよ。
小田原城の特徴としてはどういったところがあるのでしょうか。
小田原城は大規模な総構(そうがまえ)が特徴です。総構とは、敵に攻め込まれないように堀や土塁で城の周囲を囲ったもの。小田原城ができてからは、各地の城がこの造りを真似たそうです。
天守閣の中にはさまざまな資料が展示されています。
5年前にリニューアルして展示内容が変わりました。すみずみじっくりと見たら1時間はかかると思います。
こちらは江戸時代の小田原城を表したジオラマ。
現在の天守閣は、江戸時代の天守閣を元に再現されています。
え? 再現ってどういうことですか?
小田原城は明治3年に廃城となり、残っていた石垣も関東大震災で崩れてしまいました。この天守閣は昭和35年に再建されたものなんです。
江戸時代からあるものだと思ってました……!
3階にはクイズコーナーが。これなら、無知な編集部員も楽しみながら学べます。
天守閣の5階からは外に出ることができ、小田原の街を一望できます。
小田原城址公園のついでに周辺を散策するなら、どこがおすすめですか?
グルメなら、市内のかまぼこ店が集まった「かまぼこ通り」や、東海道線で一駅の「早川漁港」がおすすめです。自然に触れるなら「小田原フラワーガーデン」や「おだわら諏訪の原公園」、お子様向けなら「こどもの森わんぱくらんど」など、周辺スポットも充実していますよ!
ちなみに、小田原駅前の「ミナカ小田原」にはレンタル着物のお店があります。城下町を着物で散策するのも素敵ですね。
遊びながら学べる「NINJA館」と「SAMURAI館」
NINJA館
こちらは2019年にリニューアルオープンした「小田原城NINJA館(歴史見聞館)」。
戦国時代に北条氏を陰で支えたと言われる風魔忍者をテーマにした施設です。
風魔忍者の頭領である風魔小太郎は、身長2メートル以上の大男だったと言われています。しかし風魔忍者に関する文献はほとんど残っていないので、真実はわかりません。
忍びだから文献残せないですもんね。
ただ、よく描かれるような「いかにも忍者っぽい服装」はしていなかったんじゃないかと言われています。
たしかに、忍たま乱太郎みたいな格好だと忍者であることがバレバレです。
シアタールームで風魔忍者に関する映像を見たあと、奥の部屋へ。
すると、みずぐもを体験できる池とからくり屋敷が!
からくり屋敷にはさまざまな仕掛けがあるので、見つけてみてください。
一見なんの変哲もない部屋ですが、おそるおそる探すと、あちこちに隠し扉などの仕掛けが隠れていました。自力で見つけるのが楽しい!
最後はエア手裏剣で敵の忍者と戦います。スクリーンに向かって腕を振ると、画面上に手裏剣を投げられる仕組み。全力で投げ続けたものの、残念ながら負けてしまいました。
5人まで同時に戦えるので、腕に自信がある方はぜひ!
SAMURAI館
続いてやってきたのは、常盤木門2階展示室にある「常盤木門SAMURAI館」。武士道をテーマにした展示です。
甲冑や刀剣などの武具が数多く展示されています。歴史好きにはたまらないことでしょう。
『ブラタモリ』でタモリさんがかぶった兜もありました。
こちらでは甲冑着付け体験も受け付けています。小田原城の記念に、かっこいい写真を残してはいかが?
また、本丸広場にはかわいいお猿さんもいました!
「こども遊園地」は豆汽車が人気!
天守閣のとなりにある「こども遊園地」にやってきました。
こども遊園地を担当する「小田原市事業協会」の小泉さんにお話を伺います。
こども遊園地はいつからあるんですか?
昭和25年からあります。昔は遊園地のほかに動物園もあって、ゾウやライオンがいたんですよ。
動物園だった名残で、本丸広場にはお猿さんがいるんですね。
こども遊園地内にはテーブルがあり、ここで持ち込みのお弁当を食べてもOK。遠足みたいで楽しそう!
どうぞご自由にお使いください。毎日来る方もいらっしゃいますよ。
こども遊園地の目玉は豆汽車。基本的には15分おきに運行し、土日など混んでいるときはひっきりなしに走っているのだとか。
乗ってみますか?
大人が乗ってもいいんですか?
年齢制限はないので大丈夫ですよ。
※乗車券は2歳から必要になります。
大人だけで乗り込むと、小泉さんが手を振ってくれました。なんだか懐かしい気持ち。
汽笛とともに、豆汽車がゆっくりと走り出します。
車内アナウンスが「正面に見えます建物は小田原城でございます」と案内してくれました。観光気分たっぷり!
車窓から、豊かな森と丸太で作られた動物がたくさん見えました。
豆汽車は1回2周で、乗車時間は約6分間。ひととき現実から離れ、ゆったりとしたいい時間を過ごしました。
懐かしい乗り物はなんと1回30円! 両替機があるので、10円玉を用意しなくても大丈夫です。
バッテリーカーは2歳~9歳まで乗車可能。速度はゆっくりなので、小さなお子様も安心です。お子様の安全性に配慮してスタッフを配置しています。
お子様は何時間でもお外で遊びたがりますので、冬はぜひ温かい格好でお越しください。お待ちしています!
四季折々の花を愛でよう
さて、ここからはまた渡辺さんにご登場いただきます。
小田原城址公園は、豊かな自然も見どころのひとつです。梅、桜、紫陽花、花菖蒲など、四季折々の花を楽しむことができます。
特に春、ソメイヨシノの時期がもっとも賑わうのだとか。
散歩がてらお花を眺めてもいいですし、芝生の広場にレジャーシートを敷いてお花見を楽しむこともできますよ。
以前は、季節のお花にまつわる催事が数多くおこなわれていた小田原城址公園。今後の再開が楽しみです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします!
多くの来園者の方に楽しんでいただけるよう、そのときどきでイベントもおこなっております。豊かな自然と歴史を味わいに、ぜひ小田原城址公園にお越しください!
小田原城址公園 詳細・アクセスなど
○公式サイト https://odawaracastle.com/
○開館時間
・天守閣・SAMURAI館・NINJA館 9:00~17:00(最終入館16:30)
・こども遊園地 9:00~16:30
○休館日 最新の開館状況はこちら
○料金
・天守閣(単独券)
【個人】一般 510円/小中学生 200円
【30人以上の団体】一般 410円/小中学生 160円
・SAMURAI館(単独券)
【個人】一般 200円/小中学生 60円
【30人以上の団体】一般 160円/小中学生 40円
・天守閣&SAMURAI館(共通券)
【個人】一般 610円/小中学生 220円
【30人以上の団体】一般 500円/小中学生 180円
・NINJA館 一般 310円/小・中学生 100円
・こども遊園地 入園無料 豆汽車・バッテリーカー80円/自動遊具30円
○アクセス
住所:〒250-0014 神奈川県小田原市城内 小田原駅から徒歩10分
電話:
小田原城址公園全体へのお問合せは「小田原城総合管理事務所」0465-23-1373
天守閣・SAMURAI館・NINJA館へのお問合せは「小田原市観光協会」0465-22-3818
こども遊園地へのお問合わせは「小田原市事業協会」0465-22-3417
取材・執筆:吉玉サキ