神奈川県

ヴェルニー公園

ヴェルニー公園は、神奈川県横須賀市にある、海とバラと歴史を楽しめる公園です。観光案内所兼ミュージアムとして2021年にオープンした「ティボディエ邸」と、国指定重要文化財のスチームハンマーを保存・展示する「ヴェルニー記念館」を併設しています。

海とバラと歴史が楽しめる!「ヴェルニー公園」に行ってみた

ヴェルニー公園には2021年5月末によこすか近代遺産ミュージアム「ティボディエ邸」がオープン。海とバラと歴史が楽しめるヴェルニー公園の魅力を取材してきました。


神奈川県横須賀市にある「ヴェルニー公園」は、公園の対岸にフランス人技師ヴェルニーが建設に貢献した旧横須賀製鉄所が望める、フランス庭園様式の公園です。

公園は海とバラと歴史が楽しめ、24時間開放されているので誰でも気軽に訪れることができます。

お子様連れやデートにもおすすめです。

すぐそばには海上自衛隊やアメリカ海軍の基地があり、大きな艦船が間近に見えることも。

公園内には今年5月末にオープンした「よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸」や、急傾斜の屋根と石の壁が美しい「ヴェルニー記念館」があります。

園内随所にはバラが植えられ、春と秋の見頃には、さまざまな品種のバラを楽しむことができます。

海とバラと歴史が楽しめるヴェルニー公園の魅力を取材してきました!

横須賀の歴史を体感できるミュージアム「ティボディエ邸」

こちらは2021年5月末にオープンした「ティボディエ邸」で、横須賀の歴史をお楽しみいただけます。ここは横須賀市文化振興課の沼尻が中をご案内しますね。

よろしくお願いします!

まず、こちらのタッチパネルでは、横須賀の歴史やおすすめスポットをご紹介しています。

フォトスポットとかも知れるのいいですね!

ミュージアム内では、横須賀製鉄所に貢献した偉人や、造船にまつわる物も展示しています。

改めて学ぶと面白いですね! こちらのネジはなんですか?

こちらは、日本の開国に貢献した小栗忠順(改名後:小栗上野介)がアメリカから持ち帰ってきたネジと伝えられています。(8/2で公開終了。今後の公開は調整中)

どうしてネジを持ち帰ったんでしょうか。

このネジをアメリカで見て衝撃を受け、「日本をこういったものを作れる強い国にしたい」という思いで、製鉄所を作る決意をされたと伝えられてますね。

そんなエピソードがあったんですね!

こちらは有料のシアターです。130年前の横須賀製鉄所へのタイムトラベルが迫力の大画面で楽しめますよ。高校生以下は無料、一般は200円で見られます。

観させていただきましたが、楽しく歴史を知ることができました。子どもも喜びそう!

こちらのお部屋はなんですか?

こちらでは当時のティボディエ邸内の部屋を再現しています。調査資料を基に壁の色や模様、窓や暖炉までこだわって再現しました。
そのほか明治2年頃の建築された当時のティボディエ邸では、屋根の重さを受ける小屋組みとして西洋の木造建築で多く用いられていた「キングポストトラス」という構法が用いられていました。

このミュージアム内の頭上に見えている木の骨組みが、そのキングポストトラスです。
平成14年の旧ティボディエ邸解体時に保存した当時の部材を用いて、復元展示しているんですよ。

昔からこんなに立派な家があったんだなぁ……。

ティボティエ邸では、横須賀の歴史を思う存分楽しめますので、ぜひ多くの方に遊びに来ていただきたいですね!

ティボディエ邸のスタッフ(両脇の女性)は大正時代の女学生をモチーフにした袴姿。シアターでのアテンドも行います。

本物のスチームハンマーが見られる「ヴェルニー記念館」

ヴェルニー記念館は、横須賀製鉄所の首長として日本の近代化の基礎を築きあげたフランソワ・レオンス・ヴェルニーの功績と、横須賀製鉄所の意義を伝える体験学習施設として2002年5月1日に開館しました。

横須賀製鉄所は、おもに造船と船の修理をおこなっていた施設で、1865年に起工、時代の変化と共に1871年に横須賀造船所と名前が変わりました。近代日本の発展の礎として、近代化をリードした屈指の工業施設であり、日本への西洋技術移転と工業力強化の拠点として位置づけられていました。

こちらもヴェルニー公園内にあり、おもな展示物のスチームハンマー2台は国の重要文化財に指定されています。

子どもから大人まで楽しめるいろいろな展示物がありますよ!

こちらは江戸時代末期の慶応元年(1865)につくられ、翌1866年にオランダから横須賀製鉄所に輸入されたもので、国の重要文化財に指定されています。

スチームハンマーが動く「仕組み」を体験できるコーナーもありました。

他にも、「パスカル君」と「ひかる君」という人気の展示物があります。

編集部も「ひかる君」を体験してみました!

「パスカル君」は小さな力で重いものを持ち上げることができる展示物で、「ひかる君」はペダルを踏んで、ハンマーを持ち上げ、それを落下させ、電気を発生させて光る展示物です。

現物を見ただけでは分からない、スチームハンマー内部の仕組みも模型で展示されています。

体験コーナーは、ぜひご家族で楽しみながら見てみてください。

ヴェルニー公園では約160種1700本ものバラの花が楽しめる!

所長の安井さん

最後に公園全体を案内しますね!

どうぞよろしくお願いします!

ヴェルニー公園には、約160種1700本のバラの花があります。

1700本も…!赤やピンク、いろんな形のバラがあるんですね!

神奈川県にちなんだ「ローズヨコハマ」というバラもあるんですよ。

初めて見ました!黄色がキレイですね

5月と10月に開園する「フランス式花壇」の芝生広場

こちらは芝生広場です。バラに囲まれた緑の芝生は毎年5月と10月に中に入れるんですよ。

えー!時期になったら、ぜひ入ってみたいです!

「フランス式花壇」の芝生を囲むようにして咲く、この赤いバラ……すごくきれいですね!

これは「ラバグルート」というバラなんですが、私はこのバラが1番好きなんです。深紅で「大人の赤」がたまらないですね。

1度でいいから、ラバグルートのバラの花束をもらってみたい……!

ヴェルニー公園では、真夏と真冬以外は園内のどこかしらでバラを楽しめるんですよ。特に春と秋はバラがよく咲きます。

バラが見たくなったらここに来ればいいんですね。

そうですね! ちなみにですが、海のすぐそばでバラが見られるのは珍しいんですよ。

えっ、そうなんですか?

本来、バラは比較的涼しい海から離れた山地や山に囲まれた場所で自生する品種が多いんです。
ブルガリアンローズ、イングリッシュローズなど聞いた事があると思いますが、いずれも温暖な海辺の町とは言えません。日本で自生するバラもありますが、山の中や海辺と言っても北海道など寒い場所です。

たしかにそうですね……

ヴェルニー公園のバラは条件に合う品種を選んで植えており、手入れをしていますが、何よりバラ自身が長い時間をかけて温暖な気候と潮風になじんで育ってくれています。
そんなわけで間近に海を見ながらバラが楽しめるのは、ヴェルニー公園の最大の魅力なんです。

海のそばでバラが見られるのって、すごいことなんだ…!

このトマトのような実はなんですか?

これは日本原産のハマナスの実、ローズヒップです。

これがローズヒップなんだ!ローズヒップティーってありますよね?

はい。ローズヒップはビタミンCの宝庫でお茶だけでなく、身を絞って抽出したオイルは美肌に効くと言われています。
このハマナスの実もローズヒップティーになりますが、製品として出回っているのは、もう少し小さい実をつけるドックローズ(イヌバラ)が多いですね。

品種によって大きさが変わるんですね!

海沿いに伸びる10,000メートルの遊歩道「うみかぜの路」

こちらは「10,000メートルプロムナード」といって、愛称「うみかぜの路」と呼ばれる遊歩道です。

海だー!10,000メートルもあるんですか?

はい。うみかぜの路はJR横須賀駅から観音崎まで続く、約10キロメートルの遊歩道なんです。海沿いを歩くのはすごく気持ちいいですよ。

散歩やランニングにも良さそう!

こちらの噴水も雰囲気があって良いですね〜!デートにぴったり!

実はこちらの噴水を含む公園全体が、TVドラマ「彼女はキレイだった」のロケで使われたんですよ。

ロマンチックですね……。私もいつか誰かとデートしたい!

海を見ながらゆっくりランチをカフェレストラン「コルセール」

デートと言えば、こちらのカフェレストラン「コルセール」もおすすめですよ。

メニューがいっぱい!美味しそう〜〜!

提供写真

晴れた日は、テラスで食べると海も見えて気持ちいいですよ。

気持ち良さそう〜!

サブマリンドッグが気になります!黒い!

横須賀港には潜水艦もいますからね。美味しいのでおすすめです!

また最近、ワーケーションを始めました!リモートワーカーの皆さんのご利用お待ちしています。

カフェレストラン コルセール

営業時間:午前11時~午後3時30分 ※午後3時ラストオーダー
定休日:毎週火曜日(祝日、休日の場合は翌日)
https://www.kanagawaparks.com/verny/corsaire.html

まるで双子みたいな建造物「逸見波止場衛門」

ちなみに、こちらの「逸見波止場衛門」もおすすめですよ。

帽子をかぶっている双子みたいでかわいい!

逸見波止場衛門は、昔は旧軍港への入口として多くの人が行き交った場所なんですよ。

ヴェルニー公園は、歴史の深いスポットでもあるんですね。

はい! 横須賀の海と歴史、バラを感じにまた遊びに来てくださいね。お待ちしております!

施設情報・アクセス・駐車場

〇ヴェルニー公園

料金:入場無料
開園時間:24時間
公式サイトhttps://www.kanagawaparks.com/verny/

〇よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸

入場料:無料
開演時間:9:00〜17:00
休館日:年中無休
公式サイトhttps://thibaudier-yokosuka.com/

〇ヴェルニー記念館

入場料:無料
営業時間:9:00~17:00
定休日:月曜日(祝日、振替休日の場合は翌日)・年末年始
公式サイトhttps://www.cocoyoko.net/spot/verny.html

アクセス

所在地:〒238-0042 神奈川県横須賀市汐入町1丁目1

 ■電車でのアクセス

「JR横須賀駅」より徒歩1分
「京急線汐入駅」より徒歩5分

■車でのアクセス
ヴェルニー公園駐車場(有料)をご利用ください。

【営業時間】8:30〜17:30

【駐車料金】
・普通車
入庫から1時間:420円
以降30分ごと:210円
・大型車
1回:2100円
※大型車は事前予約が必要です。(046-828-5833)

 

取材・執筆:仲地里絵