東京都

2k540 AKI-OKA ARTISAN(ニーケーゴーヨンマル アキオカ アルチザン)

山手線秋葉原駅~御徒町駅の高架下を利用した商業施設。「ものづくりの街」をテーマに、50弱ものショップが建ち並んでいます。洗練された職人の手仕事をお楽しみください。

工房とショップが一体化。作り手の顔が見える「2k540 AKI-OKA ARTISAN」

オープンから10周年を迎えた秋葉原のおしゃれスポット「2k540 AKI-OKA ARTISAN」。数多くのお店の中から、広報さんおすすめの5店に行ってみました。お絵かきカフェや万華鏡専門店など、一風変わったユニークなお店をご紹介!


山手線の秋葉原駅―御徒町駅間の高架下スペースにある「2k540 AKI-OKA ARTISAN(ニーケーゴーヨンマル アキオカ アルチザン)」。
※以下「2k540」と表記

少し変わった名前のここは、ものづくりの街をテーマにした商業施設です。

細長い通路の両側に、およそ50店舗のショップが建ち並びます。

その中には、2k540の特徴でもある「アトリエショップ」もたくさん。アトリエショップとは、工房を兼ねたお店のことです。基本的には、作り手が店舗内の工房で制作と接客をします(場合によっては販売専門の人がいることも)。作り手の顔が見えると、物にも親しみが湧きますね。

革細工やジュエリー、陶器、染物、彫金、木製雑貨など、手仕事によるさまざまな商品(作品)に出会えます。お店によってはオーダーメイドで作ってくれることも!

端材を売っているお店や、刻印やレザープリントを注文できるお店もあります。ものづくりをする人にとっても便利な場所ですね。

アクセスは、JR秋葉原駅から徒歩6分、JR御徒町駅から徒歩4分、銀座線末広町駅から徒歩3分です。

2k540の魅力を、運営担当の福田さんに伺いました。

突然ですが、「2k540 AKI-OKA ARTISAN」ってどういう意味なんですか?

2k540は「東京駅から2キロ540メートルの場所」を示す鉄道用語です。ジェイアール東日本都市開発が運営している施設なので、鉄道用語を使っています。アキオカは秋葉原~御徒町、アルチザンはフランス語で「職人」という意味です。

なるほど! 2k540はいつからあるのでしょう?

2011年にグランドオープンしました。10年が経ち、建物もより雰囲気が出てきましたね。

 

そんな2k540を案内してもらうことに。お店がたくさんあって全部は紹介できないので、福田さんにおすすめの5店をピックアップしていただきました!

創心万華鏡

店内で制作した万華鏡を販売する「創心万華鏡」。混雑時以外は、お店の前で万華鏡作りのワークショップも開催しています。

さすがは専門店、店内にはさまざまな種類の万華鏡が。覗いて回すと、きらきら輝く天然石が美しい模様を作り出します。

こちらの万華鏡には、ルビーやペリドット、タンザナイトなどの宝石を使用しています。御徒町には宝石街があり、希少な宝石も手に入りやすいんです。

定番の「シグネチャー」シリーズ。桜や星空、雪の結晶など、自然界の景色をモチーフにしていて、回したときの色や模様はモチーフごとに異なります。

基本となるデザインは決まっていますが、お客様から「石の色を変えてほしい」などのリクエストがあれば応えてくれるそう。また、お客様が持参した宝石を中に入れることもできるのだとか。

思い出の宝石を万華鏡にできるなんて素敵!

誕生石や好きな色、思い出のモチーフなどから万華鏡を選ぶのもいいですね。

こちらは東京芸術大学の学生さんが描いた作品です。もちろんすべて一点もの。覗いたときの模様も、絵柄のイメージに合わせています。

中もワインのイメージで作った「ワイン樽の万華鏡」。

漆塗りの万華鏡もありました。右はめずらしい白の漆で、左は「印伝」という伝統工芸を用いたものです。和室のインテリアにも馴染みそう!

万華鏡の魅力は、実際に覗いてみないと伝わりにくいものです。回すたびに印象が変わるので、ぜひ実際に手に取ってみてください!

 

2mOa(ツーモア)

こちらは、ちょっと個性的なお店「2mOa(ツーモア)

このお店では、店主が制作したアクセサリーや雑貨を販売するほか、お客様から持ち込まれた「捨てられないもの・想いのあるもの」をアクセサリーにリメイクしてくれるんです。

まさに究極の一点ものですね!

過去には「穴が開いた思い出の靴をお守りにしてほしい」「入浴剤の蓋をピアスにしてほしい」など、ユニークなオーダーもあったそう。

地金にsapphire(サファイア)やruby(ルビー)のスペルを打って塊にしたアクセサリー。宝石そのものではなく、「言葉」や「概念」を身に着ける発想が面白いです。

円の半分が純金、もう半分が18金でできたリング。

純金は柔らかいため、一般的にリングには使いません。しかしこのリングは、あえて半分を純金にしているため、身に着けているうちにその部分が変形していきます。

このリングは「変化してゆく形に、見えない時間や物語を感じるパーソナルリング」というコンセプトで作られたそうです。

お菓子や紅茶の空き缶から作ったバッジ。

なんと、蚊取り線香の缶で作ったピアスも!

どおりで見覚えある花柄だと思った……。

店主いわく「こういうお店なので万人に合うわけじゃありませんが(笑)、ありがたいことに常連さんもいます。人と物のストーリーを大切にしていきたいですね」とのこと。

どうしても捨てられない物をお持ちの方は、「2mOa」でリメイクしてはいかが?

 

Borsa de 木pera(ボルサ デ キペラ)

2k540開業当初からある「Borsa de 木pera(ボルサ デ キペラ)」。

店内には、革製の鞄やお財布、パスケースなどがずらり。すべて店主が奥の工房で作っています。

こちらのお店はオーダーメイドも受け付けています。店頭にある商品をカスタムする「セミオーダー」も、いちから作る「フルオーダー」も可能です。

なかなか理想どおりのものに出会えないとき、オリジナルで作ってもらえるのは嬉しいですね!

このお店の目玉は、革小物と木ぺらクラフト

木ぺらクラフトとは……?

木ぺらクラフトは、薄い木の間に和紙を挟んだ特殊な素材「木ぺらボード」を使用した工作です。木ぺらクラフトの飛行機は、飾ることもできるし、紐をつけて回したり、紙飛行機のように飛ばして遊ぶこともできますよ。

木ぺら製なので、木製に比べると衝撃に強いのだそう。懐かしの竹とんぼもありました。

木ぺらクラフトはキットも販売しているので、購入して自分で作ることもできます。

すっかりデジタル化した現代だからこそ、木の玩具で遊ぶ機会は貴重ですよね。

お子さんやお孫さんに、手作り玩具を贈ってはいかがでしょう? 喜ばれると思います。

 

EDO COAT

こちらはトレンチコートとステンカラーコートの専門店「EDO COAT」。

もともとは明治時代から続く工場で、コート生地の原料を作りアパレルに卸してきたそうです。数年前からコートを作ってECサイトで販売するようになり、2021年8月にはじめての実店舗をオープンしました。

デザインは6種類、色展開は8種類です。

定番のベージュやネイビーもいいけど、鮮やかなオレンジや淡いブルーも素敵ですね!

綿素材の生地は美しい光沢があります。その理由は生地の作り方。布を織ってから染めるのではなく、染めた糸を使って布を織り上げているため、縦糸と横糸での混色が可能なのだそう。

たとえば、ブラックなら横糸をネイビーにしたり、ブラウンなら横糸をベージュにしたり……。違う色の糸を組み合わせて織ることで、見る角度によって陰影ができ、独特な高級感が生まれるんです。

だから色に深みがあるんですね。

こちらは生地の色見本。店頭にある商品をベースに、表地・ライナー・ボタンなどを好みで選ぶ「カスタムオーダー」が可能です。

EDO COATは長く着ることをテーマにしています。丈夫な生地で定番のデザインなので、年に一度ドライクリーニングしていただければ10年は着られますよ。綿なので、着ていくうちに経時変化し身体にフィットしていきます。

上質なコートを大切に長く着る、そんなシンプルライフに憧れます……!

 

創作空間caféアトリエ × プレイフルマインドカフェ

お絵かきができるカフェ「創作空間caféアトリエ × プレイフルマインドカフェ」

お絵かきカフェ……?

画材が豊富に揃っていて、自由にお絵かきを楽しめるカフェなんです。「絵を描くことでつながる」をコンセプトに、2021年にオープンしました。

時間制で、時間内ならドリンクバーが飲み放題。豊富な画材も使い放題です。

なるほど。画材を持っていなくても、ここに来ればお絵かきができるんですね!

ちなみに画材の持ち込みもOKです。作業ができるパソコンやペンタブもありますよ。

壁には、お客様が描いた絵がびっしりと飾られていました。
お店に貼っているイラストはネットに掲載する許可を得ています。

こちらは店長さんが描いた絵です。

お上手!

スタッフは皆さん絵を描くことが好きなので、描き方でわからないことがあれば相談できますよ。

提供写真

人気メニューはホットサンドです。

オリジナルグッズの委託販売もしています。使用条件は特になく、一次創作であれば誰でもOK。

「作家さんが活躍する足がかりになりたい」との思いから、一般的なアトリエより価格を抑えめにしているそうです。

今後は状況を見ながら、お客様同士が交流できるイベントを企画していきたいとのこと。お店のコンセプトどおり、お客様同士が絵でつながれる場所になればいいですね。

さいごに、福田さんから読者へのメッセージをお願いします。

2k540は五感で感じるものづくりをテーマにしています。お買い物はもちろんですが、職人さんが物を作るときの音や、焙煎したての珈琲豆の香りなども楽しみながら歩いてください。お待ちしています!

 

2k540  AKI-OKA ARTISAN(ニーケーゴーヨンマル アキオカ アルチザン)詳細

○公式サイト https://www.jrtk.jp/2k540/

○営業時間 11:00~19:00(共有通路開放時間 10:00~20:30)
※飲食店につきましては営業時間、休業⽇が異なります。各店舗のホームページにてご参照ください。

○定休⽇  水曜日(祝日は営業、店舗により定休日が⼀部異なります)

○アクセス
住所:東京都台東区上野5-9(秋葉原駅と御徒町駅間の高架下)
JR秋葉原駅から徒歩6分
JR御徒町駅から徒歩4分
銀座線末広町駅から徒歩3分

取材・執筆:吉玉サキ