神奈川県

カップヌードルミュージアム 横浜

世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明した日清食品の創業者・安藤百福の「クリエイティブシンキング=創造的思考」を体感できる体験型食育ミュージアム。館内には、見て・さわって・食べて学べるさまざまな展示やアトラクションがあります。

「カップヌードルミュージアム 横浜」で楽しく&美味しくインスタントラーメンの歴史を学ぼう!

横浜観光の定番スポットとして名前を聞くことが多い「カップヌードルミュージアム 横浜」。インスタントラーメンの歴史を学べるバラエティ豊かな展示やアトラクションを通して、発明・発見のヒントが得られます。足を運べば、もっとインスタントラーメンが好きになるかも?


 

「横浜の観光スポットといえば?」という話題で名前を聞くことが多い「カップヌードルミュージアム 横浜」。

みなさんは行ったことがありますか?

館内では、好きなスープと具材を選んで世界にひとつだけのオリジナルカップヌードルを作れたり、

ユニークな展示の数々から発明・発見のヒントや、インスタントラーメンの歴史を学べたり、

カップヌードルとスイーツが融合した(!?)斬新なメニューが堪能できたり。

行ったことがない人もある人も新しい発見がある、見どころたっぷりのミュージアムです。

今回はそんな「カップヌードルミュージアム 横浜」を、広報の小口さんに案内してもらいながら満喫してきました!

1階:5階まで吹き抜け。開放感たっぷりのエントラスホール

小口さん、今日はよろしくお願いします。いきなりですが、とても開放感のあるエントランスで驚きました!

受付のあるエントラスホールは5階まで吹き抜けになっているので、多くのお客さまに「わぁ!」と感激してもらえます。天井までは高さ約24m。25mプールがほぼまるごと縦に入っているイメージです。階段をあがった先に、さまざまな展示、アトラクションをご用意しています。

ん? ちょっと待ってください。

階段をのぼってエントランスホールを見てみると……?

あの巨大なカップヌードルはなんですか!?

あちらは、京都芸術大学(当時:京都造形芸術大学)の学生さんが和紙で作った巨大なカップヌードルの「ねぶた」です。通常のカップヌードルが3万個分入るほど大きいんですよ。

ミュージアムに来たら忘れず写真におさめておきたい展示ですね!

2階:見て・さわって学べる展示

3,000点超えの歴代パッケージがずらり! 「インスタントラーメン ヒストリーキューブ」

「インスタントラーメン ヒストリーキューブ」は、世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」から始まったインスタントラーメンが、世界的な食文化に発展していく様子を、年代別に並べた圧倒的な数のパッケージで表現した展示です。

これだけのパッケージが並ぶと圧巻だ……! おなじみの商品から「こんな商品があったんだ!」というものまで、いろいろあって面白いです。

インスタントラーメンの歴史は1958年に発売された「チキンラーメン」から始まりました。当時のパッケージは現在と違い、インスタントラーメンがどのようなものかがわかるよう、大きな卵型の「窓」で中身を見せていました。インスタントラーメンが周知されるにしたがって窓はだんだん小さくなり、1983年になくなりましたが、こうした時代の流れによるパッケージの変化も楽しめるポイントです。

パッケージの変化には時代背景も関わっているんですね。

1971年には、世界初のカップ麺「カップヌードル」が登場しました。

あ、見慣れたパッケージ! 「カップヌードル」のパッケージは発売当初からあまり変わっていないんだ。

ん? なんだかこの辺りから急に商品の数が増えた気がします。

そうなんです。2000年頃からコンビニエンスストアが増えたことで商品の入れ替わりが早くなり、新しい商品もどんどん作られるようになりました。ちょうど、ご当地ラーメンブームが巻き起こった時期とも重なります。

今では当たり前に見かけるインスタントラーメンにも、歴史が詰まっているんですね。自分が生まれた年の商品を見つけたり、よく食べていた商品を見つけて「これ好きだった~!」と懐かしい気持ちになったり、いろんな視点で盛り上がれそう。

右側の壁には、現在販売されているインスタントラーメンが並んでいます。日本だけではなく海外の商品も交えながら、インスタントラーメン全体の文化を伝えています。

「チキンラーメン」から、こんなにたくさんのインスタントラーメンが生まれたと思うと感慨深いなぁ。

「チキンラーメン」開発当時の研究小屋を再現。「百福の研究小屋」

「百福の研究小屋」は、日清食品の創業者・安藤百福が住んでいた大阪府池田市の自宅の裏庭に建てた、「チキンラーメン」が誕生した研究小屋を再現した展示です。

研究小屋? なんだか特別なものが出てきそうでドキドキ。

あれ? 思ったよりも「普通の家庭の台所」といった雰囲気。

小屋には麺棒やはかりなど、当時どこの家庭にもあったようなものが並んでいます。この展示では「たとえお金や研究設備がなくても、アイデアがあれば立派な発明が生み出せる」というメッセージを伝えています。

勇気が出るメッセージですね!

クリエイティブシンキング ボックス

続いて「クリエイティブシンキング ボックス」という展示では、安藤百福のクリエイティブな発想を知ることができる、6つのボックスを用意しています。遊びながら発明・発見のヒントを見つけ出せる展示です。

・まだ無いものを見つける

ひとつめのボックス「まだ無いものを見つける」では、暗い部屋の中に映像が映し出されています。このボックスでは世の中にはまだ無いけれど、「あったらいいな」を見つけることが、発明につながるヒントになると伝えています。

たとえば、洗濯はもともと洗濯板でおこなう重労働でしたが「もっと楽に洗濯ができたらいいな」というお母さんたちの思いから洗濯機が生まれました。

「チキンラーメン」も同じ。戦後の闇市で人々が一杯のラーメンを求めて行列になっているところを見た安藤百福が「家庭で簡単にラーメンが食べられたらいいな」と思い、アイデアを思いつきました。

映像は動きで伝えるパントマイムなので、日本語がわからない外国の方や小さなお子さんでも直感的にメッセージを感じられるようになっています。

・なんでもヒントにする

ふたつめのボックス「なんでもヒントにする」では、身近にある道具や乗り物などが開発されたヒントを手でふれながら学べます。

チキンラーメンにふれてみると、天ぷらを揚げているイラストが飛び出てきました。

チキンラーメンが誕生したのは、実は「天ぷら」がヒントになっていたんです!

この展示では「アイデアのヒントは身のまわりに転がっている」ことを伝えています。

・タテ・ヨコ・ナナメから見る

4つめのボックス「タテ・ヨコ・ナナメから見る」では、宙に浮いたカップヌードルのモニュメントが。この展示が伝えているのは「考えが行き詰ったときはいろんな角度から物事を見てみよう」というメッセージ。モニュメントには発明のヒントになる4つの言葉が隠れているので、視点を変えて見つけてみてくださいね。

・常識にとらわれない

5つめのボックス「常識にとらわれない」では、穴から覗いて「どのカップヌードルが一番大きいか」を考えてみる展示。

穴からはこんな風に見えています。さて、どのカップヌードルが一番大きいでしょう? 正解は実際の展示を見て確かめて!

・あきらめない

最後のボックスは「あきらめない」。安藤百福と歴史に名を馳せた偉人たちが並んでいます。どんな偉人たちにも、失敗はつきもの。「一度や二度の失敗にくじけない」ことが、何かを成し遂げるための最短ルートなのかもしれません。

全長約58mの大パノラマ。「安藤百福ヒストリー」

「安藤百福ヒストリー」は、全長約58mのパノラマで安藤百福とインスタントラーメンの歴史を紹介する展示です。パノラマの上段は写真と文字情報で、下段はイラストが中心となっており、大人の方もお子様も楽しんでいただけます。

イラストがあるとわかりやすい。これなら親子で一緒に、楽しみながら百福さんの発明の歴史を学べそうですね!

3階:作って楽しむ体験型アトラクション

「マイカップヌードルファクトリー」でオリジナルカップヌードルを作ろう!

次は「マイカップルヌードルファクトリー」で、世界でひとつだけのオリジナルのカップヌードルを作ってみましょう!

待ってました! 「カップヌードルミュージアムといえば!」のアトラクション。

最初に自動販売機でカップを購入し、手を消毒して準備完了!

まずはこちらのテーブルで、購入したカップを自由にデザインしてみてください。

カップからデザインできるのは楽しい! どんなデザインにしようかな?

好きな文字やイラストを描いて……

完成しました!

それではデザインしたカップで、オリジナルのカップヌードルを作っていきましょう!

カップを逆さまにして麺にかぶせ、ハンドルでぐるぐるとカップを回してひっくり返し、麺をカップに入れます。この製造方法は、安藤百福の「逆転の発想」から生まれました。この発想により、工場で大量生産ができるようになったんです。

自分で体験することで、さらに理解が深まりますね。

同じ具材を選んでもOK。味の組み合わせは、なんと合計5,460通り!

次はカップヌードルの味を決めていきましょう。スープは4種類(カップヌードル、カップヌードルカレー、シーフードヌードル、チリトマトヌードル)から1つ、トッピングは12種類から4つ選べます。

謎肉やタマゴのような定番のトッピングから、キムチやガーリックチップといっためずらしい具材まで種類が豊富! どれにしようか迷っちゃうなぁ。

謎肉、チェダーチーズ、カニ風味カマボコ、ひよこちゃんナルトをチョイスしてみました! 彩りよくできた気がする。

あとはカップにフタをしてフィルムで包装したら、世界でひとつだけのオリジナルカップヌードルの完成です!

フタと包装の過程も楽しく見守ります。熱の力で包装しているので、完成直後はカップが温かく、できたて感がありました!

やった~! 世界でひとつのオリジナルカップヌードル、大事に食べようっと(※)。

※賞味期限は製造日から1ヵ月です。

最後は「エアパッケージ」に空気を入れて、オリジナルのカップヌードルを大切に持ち帰りましょう!

マイカップヌードルファクトリー

体験方法:時間指定の前売券(ローソンチケット)または当日整理券(先着順)が必要。

実施時間:10:00~18:00(最終受付 17:30)

所用時間:45分(できあがりまでの目安)

料金:1食500円

 

「チキンラメンファクトリー」

提供:カップヌードルミュージアム 横浜

「マイカップヌードルファクトリー」の他にも、「チキンラーメン」を手作りできる工房「チキンラーメンファクトリー」があります。小麦粉をこねて生地を作り、製麺機でのばして切り出し、蒸したあとに味付け。油で揚げて乾燥させる「瞬間湯熱乾燥法」を目の前で見られます。

チキンラーメンファクトリー

体験方法:事前予約制
※空きがあれば当日申し込み可能。3階受付カウンターで空き状況をご確認ください。

開催時間:1日4回(各回90分)
[1] 10:15~ [2] 11:45~ [3] 14:00~ [4] 15:30~

料金:中学生以上1,000円、小学生600円

定員:各回48名(対象は小学生以上)
※1名での申込不可。
※未就学児の体験不可。
※小学1~3年生は必ず中学生以上の方とペアでご体験ください。
※体験会場には体験参加者以外はご入場いただけません。

 

4階:世界の麺とユニークなスイーツを堪能

世界各国の麺を食べ尽くす。「NOODLES BAZAAR -ワールド麺ロード-」

最後は「NOODLES BAZAAR -ワールド麺ロード-」をご紹介します。安藤百福が麺のルーツを探し求めて「麺ロード」を旅する途中で出会った、世界各国のさまざまな麺料理を味わえるフードアトラクションです。

お~なんだか急に異国の雰囲気!

アジアのナイトマーケットをイメージしています。本格的な空間でお食事を楽しめますよ。

どの料理もおいしそう! ぜんぶ魅力的ですが、断然「カップヌードル ソフトクリーム 」が気になります。ということで注文!

「カップヌードル ソフトクリーム 」は、「カップヌードル」の味を絶妙なバランスで表現した、しょうゆ風味のソフトクリームです。「カップヌードル」でおなじみの、エビやネギ、タマゴ、謎肉などの具材をトッピングしました。

見た目はカップヌードルと変わらない~! どんな味なんだろう。

気になる味は……「カップヌードル」の味だ! そのあとにソフトクリームの甘さも交互にきて、本当に絶妙なバランス。「スイーツ」とは断言しにくい味わいだけど、食べていくうちにクセになるかも?

他にも「カップヌードルカレー」のスープの味を表現したカレー風味のソフトクリームもあるので、食べ比べなどをしながら楽しんでみてください。

NOODLES BAZAAR -ワールド麺ロード-
運営時間:11:00~18:00(ラストオーダー 17:30)
料金 :1食 500円(ハーフサイズ)
ミニチキンラーメン 1食 250円
各国のデザート 1食 400円
各国のジュース 1本 200円
ドリンクバー 250円
座席数:140席

たっぷり遊べて発見に満ちた場所でした

 

創造力や探求心が刺激される展示を見て、体験して、お腹も満たしたら、横浜の海を見渡せる4階のテラスで一休みができます。

帰る前にはぜひ1階「ミュージアムショップ」で、かわいくてユニークなお土産をチェックしてください。

提供写真

人気No.1のお土産は、こちらの「チキンラーメンまんじゅう」900円(1箱)。並んだひよこちゃんがかわいすぎる……!

楽しくて美味しいだけではなく、新しい学びや発見がたくさんある「カップヌードルミュージアム 横浜」。

館内のさまざまな展示やアトラクションを通して安藤百福の「クリエイティブシンキング」に触れ、自分なりの発明・発見のヒントを見つけてみてくださいね。

「カップヌードルミュージアム 横浜」施設情報・アクセス

公式HPhttp://www.cupnoodles-museum.jp/ja/yokohama/

所在地
神奈川県横浜市中区新港2-3-4

アクセス
みなとみらい線「みなとみらい駅」より徒歩8分、「馬車道駅」より徒歩8分
JR・市営地下鉄「桜木町駅」より徒歩12分

開館時間
10:00〜18:00(入館は17:00まで)

休館日
火曜日(祝日の場合は翌日が休館日)、年末年始

入館料
大人(大学生以上)500円
高校生以下は無料
※各アトラクションの利用料は別途。
※施設の予約、各アトラクションの予約、料金・利用時間は公式WEBサイトをご確認ください。

 

取材・執筆:稲垣恵美