府中市市民活動センター プラッツ
東京都府中市にある府中市市民活動センタープラッツ。駅ビルの上層部に位置し、市民活動の場としてだけでなく、市外を含む近隣住民の憩いの場として活用されています。
府中市市民活動センタープラッツに行ってきた!まるで府中のテーマパーク
京王線府中駅直結の駅ビルの中にある、府中市市民活動センタープラッツの魅力を取材してきました。
目次
府中市市民活動センター「プラッツ」は、東京都府中市にある市民活動センター。
府中駅直結の駅ビル、武蔵府中 ル・シーニュの5F・6Fにあり、カフェやレンタルスペース、キッズスペース、発表会等に使うホール等、様々な施設が併設されております。府中市以外にお住まいの方でも借りることができるので、何かと便利。
駅ビル直結でアクセス抜群の市民センターというのも珍しいですが、注目したいのはオシャレな中身です。
まるで駅ビルからそのまま続いているような、明るく解放的な雰囲気が広がっています。
まずは早速施設をご紹介。
カフェ オレンジブーツ
地元と姉妹都市の食材をふんだんに使ったカフェです。美味しそうなメニューがいっぱい!ビールやワインなどのお酒も提供しています。
居心地のいい空間からは街が一望でき、ランチ時はお客さんでいっぱいに。カフェのためだけに市民活動センターまで来てくれる人もいるほど好評だそうです。
団体活動作業スペース・ミーティングスペース・交流スペース
市民活動をしている団体をメインに、誰でも立ち寄ることができるフリースペースです。作業や打ち合わせに使われています。また、団体と市民や団体同士が出会うことでさらに活動を広げていくコーナーです。
自由に使うことができる椅子と机があり、それぞれやりたいこと・できることを持ち寄ってもっと活動を盛り上げるための交流が日々行われています。
市民活動団体として活動を登録すると、こちらのスペース、ロッカー、印刷機、相談窓口など、活動に必要な様々なツールを利用できるようになります。
勉強スペース、会議室など、府中市民の交流の場になっています。
キッズスペース
子供と遊べるコーナーです。子供がぶつかっても安心なふかふかの椅子、絵本、ちょっとしたおもちゃや遊具を取り揃えています。
地域の子育て情報も充実しており、パパママ憩いの場です。
青少年スペース
青少年が利用対象のフリースペースです。若者による企画や勉強、雑談に使われていて、学校の垣根を超えた交流の場になっているとのこと。大学生や浪人生による勉強会なども実施しているそうです。
会議室
一般や市民団体、企業にも解放されている会議室です。活動や発表の場として、また、ミーティングや新人研修、面接などにも使われています。
お手頃価格で使いやすく、和室、料理室もあり、取材に行った日も料理室で糖尿病患者向けの料理教室が開かれていました。毎日ほぼ満室で使われているそうです。
ソーシャルビジネスラボ
社会活動としての起業を支援しているスペースで、事前登録して有料利用すると専門家のアドバイスや講座を受けることができます。ボランティアではなくちゃんと利益を出して継続できる、事業として定着できる社会活動を目指して支援しています。便利な助成金や制度なども。
国際交流サロンDIVE
府中市に住む、様々な国から来た人々と交流できるスペースで、無料で参加できる英会話カフェなどが開かれています。
英語だけでなくタイ語やアラビア語など珍しい言語の基礎を学ぶことができたり、国の文化を知ることができたり、文字通り世界が広がるサロンです。
バルトホール
発表会などで利用できるホールです。吹き抜けの高い天井のおかげで音響がとてもよく、広々と使うことができます。
毎日何かしらのイベントや講座があり、府中市の文化を支えています。
どの施設も質が高く、必要なものが何でもある!
全体的に爽やかな居心地のいい空間で、お堅くてちょっぴり敷居の高いイメージがある公共施設とはちょっと違う雰囲気です。
そうです!テーマは脱・公共施設。プラッツはテーマパークなんです。
テーマパーク!確かに、街中のおしゃれな休憩スペースみたいですね。
はい。ワクワクしてオシャレな空間を目指して、椅子や机にもこだわりました。立地も立ち寄りやすく、いい場所には自然と人が集まるので、まずは箱から整えようという府中市の方針です。
こちらは施設を運営するスタッフの林さんと、館長の吉田さん。プラッツの魅力、使い方などを詳しく聞いてみました。
市民の交流、成長の場
ここはどういった場なんでしょうか。
2017年にオープンしたばかりの、府中市民を中心とした公共施設です。貸し会議室や多目的スペースがあり、登録団体が開催する講座やイベントの場になっています。パソコン教室、街づくり、ヨガ、育児など、様々な活動があり、プラッツに来たら何か面白いことをやっている、そういう場を目指しています。そして活動している登録団体の相談を受けたり、NPOやソーシャルビジネスの支援、必要な人材のコーディネートなど、ソフト面で支えるのがスタッフの役目です。
今日も面白そうなイベントがたくさんやっていますね!
プラッツ自体は勉強や休憩などにも気軽に使える、用がなくても来れるところを目指しています。夜景が綺麗なので、オレンジブーツ(カフェ)でワインを飲みながら眺めて頂きたいんですよ。
お酒が出せる公共施設、初めて見ました。すごいですね。
頑張りました(笑)。おかげさまで年間120万人以上の利用者と、500以上の登録団体がいます。
子育て、女性の働き方にも力を入れています。登録団体にも子育て支援、子供支援、子供食堂などがあり、ここに来れば育児の情報が手に入ると立ち寄って下さる方もいらっしゃいます。また子育ての時期は地域に関わることが多いため、ここが使いにくいとか、こうしたらもっといいとか、市民活動に気付きやすい時なんです。プラッツに来て人に出会うことで新たなグループができ、活動の芽が出る、その時に助成金やサポートで芽を育てています。
なるほど!来る時に料理サークルや麻雀サークルを見かけましたが、それも市民活動でしょうか。
はい。例えば趣味で集っている文化系サークルがあったとして、それが少し成長して市民に講座を教えたり、イベントに出展したり、趣味を楽しむ場を提供して市民の健康促進と交流を促したりすれば、それは市民活動です。そのように、団体を育てる仕事もしています。
市民活動は基本ボランティアで、赤字が大半です。けれどそれでは継続が難しい。いいことだからこそちゃんとソーシャルビジネスとして成立させるため、起業の相談や事業化など、社会貢献が仕事になるためのサポートをしています。また、市と市民だけでなく企業との連携も大切にしています。
自分が活動できる場所をここで発見して、興味を持ったらこんなやり方があると提供して、それを形にする。自分が主役になれるところ、その場を提供するのがプラッツの役目です。
お話を聞くうちに、プラッツが市民の生活の場であり、外に広がる拠点であることがわかってきました。
市民活動というと高齢者が中心のイメージがありますが、プラッツは利用者の年齢層が万遍なく、コロナ以前は中高生向けにボドゲカフェ的なイベントをやったりもしていたそう。
なかなか集まれなくなった今もLINEグループで連絡を取り合ってオンライン勉強会をやったりしているそうです。
■コロナ前、コロナ後で変わったこと
やっぱりこの時期は「施設に集まる」という行動がなかなか難しいと思うのですが、コロナ前、コロナ後で変わったことってありますか?
オンライン化が進みました。うちはslackがまだ英語版の頃から導入したり、各種グループウェアやクラウドを導入していたため、スムーズに在宅ワークに移行することができました。
ご年配の方向けにLINEの使い方を教える講座もやっています。講座に来てくださった方がLINEを覚えて、今晩にもみんなでLINE通話をして復習しようなんて話しているのを見ると、ご年配の方はインターネットが苦手なのではなく、苦手にさせてしまっているのだなと。その垣根を取ることもしていきたいですね。
一方で、これまでは場所としてプラッツに来るという利用者が多かったものを、場自体がなくなってしまったことで、機能自体を考え始めました。場が使えないから閉鎖や休止ではなく、どういうことをやれるかと。場がなくなったからといって団体や人材を繋いでいくというプラッツの役目は変わりません。
コロナで子どもと一緒に引きこもりになってしまいそう!という声を何とかしたいと、得意なことを動画で発信しないかと声をかけたところ、ウクレレ、健康体操、読み聞かせなどバンバン意見が出てきまして、今はやることが沢山です。そして今年は、毎年やっていた府中市民協働まつりをオンラインで行うことになりました。
■府中初!オンライン大規模市民イベント
市民イベントをオンラインで!?……というのは、どういうことでしょうか。
毎年、登録している市民団体や企業、学校がライブやワークショップなどをやっていまして、今年はそれをオンラインの動画配信でやることにしました。どうなるかはわかりませんが、せっかく府中の市民活動が盛り上がっているので、続けてみようと。
なるほど。なくしちゃうよりはやってみようと。ちなみに、コロナになる前の府中市民協働まつりってどんなイベントでしたでしょうか。
毎年2万人が訪れる活気溢れるイベントでした。もちろん府中市民でなくても参加できるので、今回オンラインになったのを機にぜひ遊びに来てください。
第6回府中市民協働まつりの会場はこちらになります。
YouTubeで合唱や劇などの配信があり、また、zoomで手話講座、小学生向けのプログラミング教室、お悩み相談室など、様々なワークショップが開かれています。事前予約のものがほとんどのため、今のうちに申し込んでおくのが良さそう!
プラッツの講座は作り込みが高いと評判が良く、毎年好評だそうです。楽しみですね。
■府中市とともに育つ施設
お二人から見て府中って、どんな街ですか?
パワーのある街だと思います。都市機能も田舎機能も持っていて、大学もあるし交通も整備されている一方で、自然のある住みやすい街上位ランキングでもあり。歴史もあり、何でもある街だなと。住んでいる人の地元愛も強く、便利さとスローライフの両方を大事にされています。地縁組織も強く、お祭り好きな人が多いですね。
ただ、子育てのために移住してきた住民はその地元の縁に入りにくいままなんとなく住んでいるところもあり。プラッツを通じて市民が出会うことで、府中市はもちろん、府中以外の人も巻き込んで”みんなの府中市”にしていくことがこれからの街づくりと考えています。
なるほど!魅力的でありながら、難解でもありますね。
私は男女共同参画や女性のエンパワメントを扱うNPOをやっていて、その縁からプラッツに参加して場を提供しているのですが、世代間でちょっとした知恵や当たり前のことが全く伝わっていないと感じることが多くありました。今時の親はと言ってしまうのは簡単ですが、我々世代の責任でもあります。親世代が発信できる仕組み、土壌を作りたいと考えています。
私は長年まちづくりに関わってきましたが、その地域のオリジナリティをもう一度発見したいと考えています。地元の方が持っていた元からあるものをもう一度見直して、価値を再発見すると、新たな価値ができる。新しいものを持ってくるとどこかの二番煎じになってしまいますが、足して伸ばすといい感じに街の個性ができますね。
先ほどのオンラインイベントでも思ったのですが、プラッツって実は”府中市民のもの”って感じではないのでしょうか。
はい。府中にある箱ですが、府中だけにこだわりはありません。みんなの公共施設です。拠点としながらも広がっている場所として、市民、市、企業、私たちの協働の場として利用して頂ければと思います。この街のいいところを持ち込み、この街のいいところを出す。これからも市役所でもなく、市民の代表でもない中立の立場から、新しいまちづくりをして行けたらと思います。
■スタッフのお気に入りスポット
最後に、お二人がこの施設で一番気に入ってるスポットを教えてください!
高いところにあるので、窓から富士山が見えるところですね。
大國魂神社の参道でもある、ケヤキ並木が見下ろせるところです。
これは綺麗!!街のいいところが見渡せると、この街がますます好きになりますね。
公共施設らしくない!?オシャレな府中市市民活動センター「プラッツ」、そこには「市民活動を明るく楽しく盛り上げたい」という施設の想いがありました。
自分の街にもこんな場所があったらいいなと思ったので、もしかしたらこれが市民活動の始まりかもしれません。
府中市市民活動センタープラッツ 施設詳細
公式サイト:http://www.fuchu-platz.jp/
アクセス
住所:東京都府中市宮町一丁目100番地 ル・シーニュ5・6階
公共交通機関から
京王線府中駅南口から徒歩1分(駅直結)
JR南武線、武蔵野線府中本町駅より徒歩10分
駐車場・駐輪場
「府中駅南口市営駐車場ページ」および「武蔵府中ル・シーニュ公式ページ」をご確認ください。
利用方法
開館時間:8時30分から22時まで
休館日:年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)および施設点検日(2月の第4月曜日)
※ただし2月の第4月曜日が祝日等にあたる場合はその翌日
施設の利用方法は、公式サイトの「プラッツを使う」をご確認ください。
府中市民だけでなく、市外の方でも利用可能です。
新型コロナウイルス感染症に伴う施設の利用制限について
現在、利用可能な施設はカフェオレンジブーツ、第1~7会議室、和室、料理室、スタジオ、印刷室、起業支援・個人有料利用コーナー、バルトホールのみになります。
キッズスペースや青少年スペースなど、団体活動スペース以外のフリースペースは利用を休止しており、団体活動スペースはプラッツ登録団体のみご利用可能です。
また、ご来館の皆様には感染症予防対策へのご協力をお願い申し上げます。
詳しくはこちらをご覧下さい。
取材・執筆:みきぽ