東京都

日本科学未来館

日本科学未来館は、東京お台場にある国立の科学館。最新テクノロジーから日々の素朴な疑問、地球環境、宇宙の探求、生命の不思議まで、さまざまなスケールで現在進行形の科学技術を体験出来ます。

日本科学未来館の見どころを広報さんに聞いてきた!

日本科学未来館を取材してきました。ASIMOやスーパーカミオカンデなどの最新技術から、生命の不思議まで展示されていて1日居ても足りないくらいです!


東京お台場の日本科学未来館は、生命や地球、宇宙の謎など「最先端の科学」に触れられる施設。

分かりやすい解説と、ユニークな体験で最新のテクノロジーに触れることができたり、

ノーベル賞を受賞した研究について学べたり、

最先端技術のアンドロイドとも会えるんです!

さまざまなイベントも実施しており、

リアルはもちろん、

タイムシフト再生 : https://live2.nicovideo.jp/watch/lv329684418

最近では新型コロナウィルスについて学べるようなオンラインイベントなんかも実施しています!

今回はそんな日本科学未来館の広報、早川さんにお話を伺いました。

科学未来館_早川さん
広報の早川さん

5F常設展「世界をさぐる」

日本科学未来館は地上8Fの建物で、1、3、5Fが展示スペースです。今回は5Fからご案内していきましょうか……このフロアは主に宇宙・地球・生命の展示です。まずは宇宙と地球の展示をご案内しますね。

 

10分の1スケール スーパーカミオカンデ

この「ニュートリノから探る宇宙」はぜひ見ていただきたいですね!

岐阜県・神岡の地下 1,000m にある「スーパーカミオカンデ」は、ニュートリノを観測する装置です。このスーパーカミオカンデの10分の1の模型を展示しています。模型の中では、ニュートリノをとらえるセンサーが壁や床にずらりと並んだ様子を体験できます。 また、放射線の通った道が煙のような線となって現れる「霧箱」と呼ばれる装置では、現れては消える放射線の痕跡をその目で観察することができます。 日本はニュートリノを観測する研究で世界をリードし、ノーベル物理学賞受賞(2002年小柴昌俊氏、2015年梶田隆章氏)にもつながっています。(日本科学未来館HPより)

物質の単位で「原子」はよく聞かれると思いますが、それよりも小さい「素粒子」があるのはご存知でしょうか?

授業で習った程度ですが……

こちらの展示は、素粒子の一つ「ニュートリノ」をとらえるための装置なんです。

物質は小さく分解していくと原子核と電子に分かれます。原子核を構成する陽子、中性子をさらに小さく分解したアップクォーク、ダウンクォークと、電子はそれぞれこれ以上分解できない素粒子です。「スーパーカミオカンデ」でとらえるニュートリノは素粒子に分類されます。

スーパーカミオカンデの実物は約40×40mの円筒形をした装置ですが、ここには10分の1スケールのものを展示しています。

小さな物質をとらえるためだけに40mの円筒が必要なんですか?

ためだけに、です。

随分と大掛かりなんですね。

ニュートリノは宇宙から降り注ぐ宇宙線の中に無数に含まれています。このニュートリノは中性で非常に小さく、原子の中も通り抜けることができるため、観測することが難しいとされています。1㎠を1秒間に660億個もすり抜けていくんですよ。

ニュートリノはプラスもマイナスも電気を帯びていないため、電気的な引力や反発を受けつけません。その上とても小さいので、他の物質の原子ともぶつからないんです。しかしニュートリノはごく稀に水と反応することがわかり、巨大な5万トンもの水を貯めた装置が作られました。それが「スーパーカミオカンデ」なんです。

どのくらいの頻度で反応するんですか?

1日数十回程度、ですかねぇ。

これだけの設備を作っても、1日数十回とは……。

 

地球の未来を考える「100億人でサバイバル」

こちらは災害を理解し、どのように向き合えばいいか考えていく展示です。好きな順番にまわってもいいですが、まずはこちらのジオラマをみてみましょう。

100億人でサバイバルの中で、特に目を惹く大型模型「あなたの命がおかれた状況」

この展示では、さまざまな災害が起こるしくみやその被害を理解することができます。

私たちがどんな災害と隣合わせなのか、というのを分かりやすく展示しています。災害は突然襲ってくるように見えますが、実は起きるまでにさまざまな要因が絡み合っているんです。一言で災害と言っても、地震や洪水などの自然災害だけでなく、感染症も含まれています。

例えば地震を例に見てみましょう。奥に赤い玉が見えますよね、この玉は「危険の種」を表しています。ここでは地震の波ですね。

しばらく様子を見ていると、地震の波が溢れ出してきました!

歪みが限界に達し地震が発生しました。地震波による揺れで街に災害が発生し、人々の生活が壊されていきます。大陸プレートに溜まっていた赤い玉がこぼれ出て、人が描かれたドミノをなぎ倒していく様子がわかりますか?

バタバタとなぎ倒されていきますね。

地震発生により社会活動が停止していきます。今度は人間社会から出ていた銀色の玉(二酸化炭素)が減りましたね。大災害が起こり都市機能がストップしたので、人々が生み出す二酸化炭素が減少しました。

なるほど。社会活動が止まることによって、二酸化炭素や排気ガスの排出が減りますもんね。新型コロナウイルスの流行でステイホームが進んだ時、大気汚染物質が減少したという話も聞きました。

そうですね。人間社会が活発に活動すればするほど大気汚染のリスクが上昇します。これはまた別に災害の種となってしまう。地球温暖化により巨大台風が発生したり、異常気象となると言われていますよね。様々な要素が絡み合って災害は起きているんです。

私たちは、目まぐるしく変わりゆく環境の中に身を置いているのですね。

災害発生の仕組みがわかったら、次は「災害に備える」のコーナーを見てみましょう。

ここでは地震計について学びます。地震の強さを計測する地震計は、幾つも種類がありそれぞれ得意とする揺れの種類が違うんです。ここでは地震計の中で「高感度地震計」と「強震計」を実際に動かせます。ジャンプしてみてください。

ジャンプした振動に反応していますが……グラフの動きが異なりますね。高感度地震計はわずかなジャンプにも反応しています。

小さな地震をとらえることができるのが高感度地震計です。そして強震計は、瞬間的に加速する大きな揺れも確実に観測できる特徴があります。これらを組み合わせデータを集めているんです。

実際に計測しているデータをみてみましょう。

日本各地に設置された観測地点が小さな点で表示されています。地震が発生するとその地点がどういう揺れを感じたか、変位・向きを矢印で表す仕組みです。

 

こちら、国際宇宙ステーション

次の展示は、ISS(国際宇宙ステーション)に関してです。「宇宙居住棟」という宇宙飛行士が生活する空間のコンセプトモデルを詳しく解説しています。

こうして見ると、宇宙に関する展示がとても充実していますね。あ、宇宙飛行士のサインまである!

そうなんですよ。宇宙飛行士の毛利衛が日本科学未来館の館長をつとめており、とても詳細な展示が実現しました。

毛利さん! 私が子供時代憧れの存在でした!

 

「細胞たち研究開発中」

次に、生命に関する展示をご案内します。まずは「細胞たち研究開発中」を見てみましょう。5つのシアターはそれぞれ内容が違います。誰にでも起こりうる病気や怪我に直面した時、そこでiPS 細胞による治療という選択肢があったなら、どうなるかを考えるストーリーです。

この中の一つ「わたしたち、恋に落ちちゃった!」は、シニア世代のカップルがiPS細胞で卵子を作り、子供を授かれるかを解説しています。現在の医療・常識であればある一定の年齢になると妊娠や出産は厳しいとされていますよね。もしそこで、iPS細胞の力により、人工的に新しい命を授かれるならどうでしょう。

技術的に可能かという説明だけでなく、実現した場合のリスクや倫理的な問題も交えて解説されているので、とても考えさせられました。iPS細胞から子供が生まれたとしたら、本人にどう真実を伝えるかも慎重に考えないといけませんし、万能な技術ほど慎重に使っていかなければならないんですね。

 

ぼくとみんなとそしてきみ

5Fには医療技術を学ぶ展示や、人間の脳のしくみや社会との関わり合いを学ぶ「ぼくとみんなとそしてきみ」などがあります。

ぼくとみんなとそしてきみ

この展示では生物としての人間の姿を語り手の「ぼく」の目線を通し描いています。展示は4つのパートで構成。4冊の絵本を読み進めるように人間が人との関わりの中で発揮する能力を理解できる仕掛けです。

「ぼく」の脳の基本的な働きに始まり、章を追うごとにみる世界が広がって最後は「みんな」となります。たくさんの人と関わることにより、人間は多くの刺激、ストレスを負うのに、なぜ人はそれでも他人と関わり続けるのか解説しています。

人はひとりで生きていけないんだと実感する展示ですね。

 

世界初、有機ELを使った地球ディスプレイ「ジオ・コスモス」

吹き抜け空間には、日本科学未来館のシンボル展示「ジオ・コスモス」が展示されています。実は有機ELパネルを使った球体ディスプレイなんです。

この地球、雲が動いてますよね、これは人工衛星が撮影したデータを毎日とりこんで反映させたものなんです。

えっ! リアルな地球の姿なんですか?

はい。台風シーズンが来ると、日本列島を横断するような台風を見ることができるんですよ。通常は地球の姿を映していますが、毎日決まった時間にはプログラムの映像が流れます。

下から見た「ジオ・コスモス」もいいですね。

本来は1Fフロアにカウチソファが置かれていて、そこに寝そべりながらじっくり地球の様子を感じることができるのですが…… 新型コロナウイルス対策で展示内容に一部変更が出たため、残念ながら今はご利用頂けないんです。また再開した時には、ゆっくりとご覧頂きたいですね。

 

3F常設展「未来をつくる」

3Fに来たら、まず見ておきたいのが「ノーベルQ」

ノーベル賞受賞者たちからのメッセージの展示です。驚くことに、これらのメッセージほとんどがご本人の直筆で頂いたもの。各受賞者からの問いかけが書かれています。

ノーベル賞受賞者、なので科学系以外の受賞者のコメントもあります。

バラク・オバマ

オバマ元大統領じゃないですか!

そうなんです。2014年に来館された際に書いていただきました。

超多忙なのにメッセージをくださるなんて、噂通りの素敵な人柄ですね。

 

未来逆算思考

3Fで人気がある展示のひとつは「未来逆算思考」ですね。50年後に暮らす子孫たちへ豊かな地球を贈るためにどうするか、というゲーム型展示です。

ここで最初に子孫に贈りたい地球を一つ決めます。

それぞれの地球は、資源ポイントと文化ポイントの2種類を持っていて、どの地球を選んだかで所持ポイントが異なります。このポイントを最後まで持続させなければなりません。

自分が贈りたい地球が決まったら、「時の流れ」に移動していくのですが…… ここを通る時に未来のゾーンにどんな障害があるのか覚えていきましょう。

準備ができたら、ニックネームを入力しゲームスタートです。

れ く り む

「れくりむ」が未来まで進むルートを指示してください。障害に当たると「れくりむ」のポイントが減ってしまいますので、出来るだけ当たらないようルートを選択してくださいね!

未来までのルート、途中が谷になっていてこちらから見えません!

なるほど、先ほど早川さんが「障害の場所を覚えた方がいい」と仰ったのは、このルートを描くためだったんですね。

未来が今、私たちの手に……!

GO!!!!!

一度スタートしたら、あとは地球が自分の描いたルートにそって進んで行きます。

おっ、なかなかいいコースですね。ポイントも維持できてると思います。

あっ

障害に当たるとポイントが減ります。全てポイントがなくなるとゲームオーバーなので気をつけて! 障害はランダムに動くので、一筋縄ではいかないんです。

あーーー!

……2053年で滅亡してしまいました。

途中まで障害にも当たらず、順調だったんですけどね。

これ悔しいですね〜、何度もやってみたくなります。

ちょっとコツが要りますもんね。小学生が何回もリベンジしてる姿をみますよ(笑)

 

計算機と自然、計算機の自然

次に案内頂いた「計算機と自然、計算機の自然」は、鏡の林のような空間のなかに30もの展示が配置されています。

自然に人工物が溶け込み調和した世界を表現した展示「計算機と自然」

こちらは、2019年11月に新しくオープンした常設展示で、メディアアーティストの落合陽一さんの監修です。シンボル展示の「計算機と自然」と「計算機の自然」をはじめ、現実世界と計算機の世界があわさった展示が多数あります。

ディスプレイに映る人の顔。これらは全て「人工的に作られた」顔で、実在する人物ではない

こうして見ていると、人工物と自然物の境界は、徐々にあいまいになってきている気がしませんか?

フォトジェニックと見せかけて、 深い展示ですね……

こちらの映像展示「『経験』と『法則』を繰り返す人類の物語」では過去から未来まで、7つの時代を旅する、5つのストーリーをご覧になれます。

例えば「人類と計算の歴史」をみてみましょう。物語は狩猟社会から始まります。最初は人の体と大自然しか使えるものがないので、指を折って10までしか数えられないんです。

しかし時代が進み、農耕社会では計算機を生み出します。そして工業社会では、物事に法則があることを発見、産業革命とそれに先立つ科学の発展により、ヒトは自然法則を見つけたり、ルール化することで効率的に大量生産が可能になりました。

そして情報化社会。半導体の登場に始まりついに人工知能が活躍しだします。人工知能も今は人間が指示するのを前提で動いていますが、いずれ法則性を身につけ人の命令がなくとも動けるようになるでしょう。そう遠くない未来、人工知能が人の指示なく動くようになった時、世の中はどうなるんでしょうね。

日本科学未来館では最先端のロボット技術も見られる

3Fではアンドロイドが展示されています。

見た目が人間そっくりな「オトナロイド」

複雑な動きで生命らしさを表現する「オルタ」

毎日定時におこなわれる、二足歩行ロボット「ASIMO」の実演も見どころの一つです。

そういえば、ASIMOってこんなに素早く動けるロボットでしたっけ?

実は何代かモデルチェンジして、すごく進化してるんです!今や時速9キロで走れて、ジャンプも可能になりました。飲み物を運ぶことだってできるんですよ!

本当だ。機敏に動いてダンスもしてる!やっぱり実物を見ると盛り上がりますね!

このほか、6Fドームシアターガイアでは、迫力ある全天周の立体視映像で、科学や宇宙を体験できます。

※ドームシアター鑑賞には予約が必要です。上映の1週間前から上映開始15分前までにご予約・購入ください。

https://www.e-tix.jp/miraikan/

 

東京名物が一望できる「Miraikan Kitchen」

7Fのレストラン「Miraikan Kitchen」は眺めがいいと人気のスポットなんですよ。

おぉ、東京タワーもレインボーブリッジも見える! フジテレビにガンダムまで!

晴れていると、スカイツリーも見えます。

東京の名所がかなりの数見えますね。ここは絶対に寄りたい。

 

低糖質のサラダプレートも用意されている、身体に優しいメニュー。

土星オムライスや活火山パスタなど、時折科学を入れているところにニヤリとしてしまいます。飲食物の値段がお手頃なのもありがたいですね。

5Fのカフェも、科学にちなんだメニューをご用意してますよ。

 

お土産コーナーだけであっという間に時間が過ぎる

日本科学未来館はお土産のコーナーも充実しています。実験キットや文房具などのオリジナルグッズのほか、展示物に関連する書籍も揃っており、展示を見た興奮をそのまま持ち帰れるのが嬉しいですね。

定番商品は宇宙食とミドリムシクッキーですね。

やはり、食べ物系は鉄板ですね。でもなぜミドリムシなんですか?

ミドリムシは培養が簡単な上に、アミノ酸やビタミンなど人間が必要な栄養素の殆どを含んでいるので、宇宙食に利用できないか研究が進んでいます。

ショップには面白いだけでなく、デザイン性が高いグッズがたくさん。

Tシャツも科学っぽい絵柄が揃ってますね。

ええ。オリジナルの絵柄のものが多いですね。私、このTシャツの柄についてだけで軽く2時間は語れます。

うっすらと感じていましたが、早川さんも只者ではないですね。

 

リスクはゼロではないから、感染症対策もしっかりと。

最後に感染症対策を教えて頂けますでしょうか。

日本科学未来館では、「risk≠0(リスクはゼロではない、だから)」のスローガンのもと、新型コロナウイルス感染症対策を行なっています。

現在は予約制をとり入場人数を制限してるほか、入り口でお客様の検温やアルコール消毒もお願いしております。

カフェ・レストランには透明なアクリルパーテーションを設置

 

また、親子で体験できる「”おや?”っこひろば」というスペースがあるのですが、現在は感染症対策のため休止しています。人気スポットですので、コロナ禍が落ち着いたらゆっくり楽しんで頂きたいですね。

今日はありがとうございました! 取材なのにしっかり楽しんでしまいました。

日本科学未来館で先端の科学技術を体験したり、科学コミュニケーターと対話をしながら、豊かな未来社会について想像してみませんか。子供から大人まで楽しめるミュージアムですので、ぜひ体験してみてください!

お待ちしています!

 

日本科学未来館のアクセス・チケット・入場料など

https://www.miraikan.jst.go.jp/

東京都江東区青海2丁目3−6

アクセス

電車

新交通ゆりかもめ 「テレコムセンター駅」下車、徒歩約4分/東京臨海高速鉄道りんかい線 「東京テレポート駅」下車、徒歩約15分

無料巡回バス(東京ベイシャトル)

東京ベイシャトル(株式会社 日の丸リムジン)

路線バス

都営バス  「日本科学未来館前」で下車   都営バス /京浜急行バス「テレコムセンター駅前」で下車  京浜急行バス

開館時間

10:00〜17:00

休館日

火曜日(火曜日が祝日の場合は開館)、年末年始(12月28日~1月1日)

※施設保守のため臨時で休館日を設ける場合があります
※春・夏・冬休み期間等は火曜日も開館する場合があります

入館料

2021年2月現在、新型コロナウイルス感染防止のため事前予約が必要です。詳細は公式HPをご覧ください

https://www.miraikan.jst.go.jp/news/general/202005291223.html

常設展券 料金
大人 630円
小学生(6歳以上)~18歳以下 210円  /土曜日は無料
未就学児(6歳以下) 0円

※障害者手帳所持者は本人および付き添いの方お一人まで無料

 

常設展+ドームシアター券 料金
大人 940円
小学生(6歳以上)~18歳以下 310円  /土曜日は100円
未就学児(6歳以下) 100円 (△)

△未就学児は、ドームシアターを保護者の膝上で鑑賞する場合無料(要チケット予約)
※障害者手帳所持者は本人および付き添いの方お一人まで無料

 

取材・執筆:りお
編集:レクリム編集部