小田原フラワーガーデン
小田原フラワーガーデンは、神奈川県小田原市にある入園無料の公園です。春と秋に咲くバラ園や、初春に見頃を迎える「渓流の梅園」が人気。トロピカルドーム温室では、珍しいヒスイカズラなどのさまざまな熱帯植物を1年を通して観察できます。
梅の香りに包まれながら癒される。小田原フラワーガーデンで「渓流の梅園」を満喫してきた!
早咲きから遅咲きまで多種多様な梅を楽しむことができる梅園や、珍しい南国の植物を観察できる温室など、小田原フラワーガーデンの見所を取材しました!
目次
梅林ではなく梅園として関東最多級の品種数を誇る「小田原フラワーガーデン」を取材してきました!
2023年のテーマは『花のかたち 〜花びらが生み出す個々の魅力〜』。園内には約300品種を超える梅の花が咲き誇り、多種多様な梅の奥深さに触れることができます。
色とりどりの梅の花が園内を埋め尽くしているのが分かります。
桜にも負けない迫力と華やかさを感じますね!
豪華な春バラも施設の目玉のひとつ。ビビットなカラーが目を惹きます。
更に、トロピカルドーム温室にはヒスイカズラやパパイヤなど約300種の熱帯・亜熱帯の花木や果樹が!
梅やバラにちなんだ商品ラインナップも充実しておりお土産にも困りません!
そんな見どころたっぷりの小田原フラワーガーデンについて、園長の田代さんに魅力をうかがいました!
約300品種500本を誇る梅の木の楽しみ方
関東最多級の梅園ということですが、実際なん本くらいあるのでしょうか?
公式には300品種、500本と謳ってますが、今現在300品種は超えています。
というのも、梅林ではなく「梅園」として最多の品種数を目指し、珍しい品種も含めて年に何本かずつ増やしているんです。おそらく梅園としては 既に関東最多になるはずです。毎年2月の開花時期には「日本梅の会」の会長さんに品種の選定と確認もして頂いています。
これからもどんどん増えて、来年にはまた新しい梅の花を楽しめるんですね。梅にこんな様々な個性があるなんて驚きました。
これなんかとっても可愛いんですよー!
こんなに小さいのに花がいっぱい咲いてる!
そうなんです。10年くらいバックヤードで育ててから、ここに移して3年くらいでこんなに綺麗に咲いているんです。
どの梅もしっかり色づいていますね。
今年はちょっと変な咲き方をしていまして、遅咲きの時期が早まっています。通常は早咲きが咲き始めると次は中咲きが見えだす、という風に、遅咲きが咲くまで1ヶ月以上のスパンがあるんですけれど。
今年は寒かったので、遅咲きの時期が早いってなんだか意外です。
桜は暖かさの時間の累計なんですけど、実は梅は寒さなんですね。だから今年は寒い時は寒かったですけど、むしろ寒い期間がちょっと足りなかったかなと思います。
そうなんですね! 初めて知りました……勉強になります。
広い園内ですが、おすすめスポットはありますか?
おすすめの場所ですが、枝垂れの中に入って是非写真を撮っていただきたいです。空をバックに撮るのがとくにおすすめです。
入って良いんですね! これは素敵だなあ。お花がこちらを向いてくれてるので、写真としても映えますね。
うちは芝生の部分に入り込んでもらって構わない梅園で、レジャーシートを敷くのもOKです。楽しんでもらえるエリアにしようと心がけていて、梅の花を通路から見てもらうのももちろん良いのですが、年間通してぜひピクニックに使ってもらいたいと思っています。ここ数年はずっとコロナで宴会やお花見はお断りしていたんですが、今年からは「宴会しないでください」といった張り紙も撤去しています。6月になると梅の実がなるので、梅の実拾いや梅干し作りのイベントも計画していますよ。
すごく開放的なんですね。季節を問わずゆっくりできそう!
また、植物公園として皆さんに梅のことをもっと知って頂くためにクイズラリーも行っています。全問正解でお菓子を差し上げていますし、大人からもご好評いただいているので、梅が見頃の時期にぜひチャレンジして欲しいです!
鯉や動物たちに癒される池
小田原フラワーガーデンでは池に鯉も飼っています。鯉の餌は管理棟の入り口にガチャガチャ方式で売っていて、子ども達がこの梅園を楽しむきっかけにもなってくれているんです。
また、渡り鳥も多く立ち寄ってくれていて、今の時期は青鷺がよく来ます。そして、鯉を食べちゃいます。
えっ!?食べられちゃうんですか!?
はい、食べられちゃいます。
でも、そのおかげで鯉が増えすぎたりすることもなく、自然の食物連鎖が行われています。やっぱり子どもたちからすると青鷺が鯉を食べてしまうのが見ていられないようで「助けてあげて!」という声もあるんですが、自然の営みを知ってもらうことも大切と考えています。
自然ってすごいですね。
春と秋で姿を変えるバラ園の魅力
小田原フラワーガーデンでは、梅の他にバラにも力を入れています。
今(取材時:2月下旬)は剪定のため丸裸になっていますけれど、モリモリと咲かせたいと思っていまして、1本の木で枝を誘引し、1つではなく3つ4つの花を咲かせる手法をしています。
そういう手法があるんですね? 確かにあまりイメージがないような……
大体バラって1つの枝にポンと1つ咲いてるとか、あっても3本の枝にそれぞれ1つずつとかなんですけれど、うちは1つの木で10〜20咲かせるようにしています。ただし、ひとつの枝に花は3つまでと決めています。
どういった理由で1つの枝に3つの花と決めているんですか?
あんまり混み合っていても綺麗じゃないというのと、幹に負担をかけないようにするためですね。どれも20年はゆうに経っていますので。とは言えモリっと囲うように扇形に咲かせるのは、他の植物園さんではあまりやっていない手法で見て面白いかと思います。
これからくる春バラの季節と、秋バラの違いを教えてください。
5月の春バラは花数も多いですし、気温が上がるにつれどんどん咲いて豪華です。一方、秋バラはじっくりと開くので香りが良く、発色も綺麗です。秋バラはひとつひとつを楽しんでもらう。春バラは全景を楽しんでもらうというイメージですね!
トロピカルドーム温室で気分は南国に
こちらは南国気分を味わうことのできる大きな温室です。見頃を向かえ、今しか会えないイチオシの品種については受付の下に写真を撮って案内しています。また、実際に触れられる展示をしているのも当館の特徴です。
こちらはカリアンドラというフワフワした花です。実際に見るだけではなく触って、より興味を持って欲しいと考え、触れられるように置いてあります。この温室内は薬をいっさい使用していないので、五感をフルに使って、触ったり香りを嗅いでもらったり近くで写真を撮ってもらっても大丈夫です。甘い蜜を出す植物などに蟻が群がったりもしますが、それも朝スタッフが水で洗い流しています。
すごい……丁寧なケアをされているから私たちが気軽に楽しめるんですね。
こちらはカエンボクの花です。もちろん枝についているものは取りませんが、落ちているものはこうやって皆さんに触ってもらえるように置いています。
歩いてるだけで探検隊みたいな気持ちになりますね
マンゴーやパパイヤ、バナナ、アセロラなど耳馴染みのある果物の植物も多いです。コロナであまり推奨されなくなりましたが、採れたバナナを来園してくれた方に振る舞うこともありましたよ。
壁づたいに咲いているあの花はブーゲンビリアというんですけど、「ブーゲンの滝」ということで管理しています。温室内は22度に保たれるように年間通して管理をしていますので、過ごしやすいと思います。季節を問わず来てもらいたいですね。
売店には梅やバラにちなんだ商品がずらり
売店では、梅や花に関連した商品を多数取り扱っています。
梅に関連したお菓子などの食品から石鹸などの雑貨まで、種類がたくさんあって、どれをお土産にするか迷ってしまいますね。やっぱり梅干しは買って帰りたいところです。
小田原フラワーガーデンオリジナルの商品もあるので、ぜひチェックしてみてください!
今日は梅園からバラ園、温室まで施設全体を案内いただきありがとうございました。時間を忘れてゆっくりできました。園長さんから読者の方にメッセージがあればぜひお願いします!
梅が満開のこの時期は家族連れの方から若い方のデートまで、多くの人にお越し頂いています。お子さんも鯉と遊んだり、クイズラリーをしたりと楽しむことができる場所ですので、どの世代の方でも気軽に遊びに来て欲しいです!
小田原フラワーガーデンの施設概要
所在地
〒250-0055 神奈川県小田原市久野3798-5
アクセス
伊豆箱根鉄道大雄山線「飯田岡駅」から徒歩約20分。
お車やバスでお越しの方はホームページを参照ください
https://www.kanagawaparks.com/odawarafg/access.html
入園料
無料
※トロピカルドーム温室への入館は有料です。
開園時間
午前9時~午後5時
(トロピカルドーム温室の入館は午後4時30分まで)
休園日
月曜日(祝日、休日の場合は翌日) 年末年始
駐車場
料金 無料
台数 普通車:148台 障がい者用:6台
渓流の梅園について
観梅期間 1月中旬〜3月中旬
バラ園について
見頃の時期 春:5月中旬~6月上旬
秋:10月下旬~11月下旬
トロピカルドーム温室について
開館時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料
区分 | 料金(1名) | |
個人 | 大人
小・中学生 |
200円
100円 |
団体(20名以上) | 大人
小・中学生 |
160円
80円 |
お問い合わせ
お電話でのお問い合わせ
午前9時~午後5時 (月曜日・年末年始を除く)
TEL:0465-34-2814
取材・執筆:109ちゃん