ロマンスカーミュージアム
2021年にオープンした海老名駅直結の体験型ミュージアム。引退した車両の展示や巨大ジオラマで、ロマンスカーについて遊びながら学べます。他にもキッズスペース、カフェ、ミュージアムショップにフォトウェディングまで! 鉄道ファンもそうじゃない方も楽しめる、新感覚の鉄道博物館です。
鉄道ファンじゃなくても楽しい!海老名の「ロマンスカーミュージアム」を満喫してきた
神奈川県の海老名にあるロマンスカーミュージアム。「ロマンスカーって普通の電車とどう違うの?」と言うくらい鉄道に疎いライターが、その魅力を探りに行ってきました。その結果……おもしろくて時間があっという間でした!
目次
2021年4月に海老名にオープンしたロマンスカーミュージアム。子どもも大人も楽しめる、ロマンスカーの博物館です。
引退した車両の展示や……
新宿~小田原、箱根、江の島の小田急沿線を再現した巨大なジオラマ……
運転シミュレーターや、こうさくができる「キッズロマンスカーパーク」など、見ごたえたっぷり!
限定グッズを買えるショップやカフェもあり、丸一日遊べるミュージアムです。
場所は小田急線「海老名駅」直結。JR相模線・相鉄線「海老名駅」からも自由通路で直結しているので、雨の日も濡れずに行くことができます。
海老名は新宿駅から最速で38分。周辺にはビナウォークやららぽーと、映画館もあるので、ショッピングや映画のついでにミュージアムも楽しめちゃう!
そんなロマンスカーミュージアムの魅力を、広報の小泉さんに伺いました。小泉さんは小田急沿線で生まれ育った小田急っ子だそう。
実は、ロマンスカーや鉄道のことを何も知らないのですが……。
当館はいわゆる“鉄分”低めのミュージアムですので、鉄道ファン以外の方もお楽しみいただけます!
安心しました。そもそも「ロマンスカー」って、普通の小田急線とどう違うんですか?
ロマンスカーは先頭車両が流線形で、運転席を2階にすることで実現した展望席からダイナミックに楽しめる景色が最大の魅力です。また、全席指定であることも特徴ですね。
それでは、小泉さんに館内を案内してもらいましょう!
昭和レトロな最初の小田急車両
まずやってきたのはヒストリーシアター。開業当時に使われていた車両の展示とショートムービーで、小田急電鉄の歩みをたどることができます。
1927年に作られた「モハ1」。ロマンスカーではありませんが、小田急線開業当初の貴重な車両です。
レトロで可愛い~! あちこち木でできていて、温もりがありますね。
色合いや形も素敵ですよね。今と違って乗務員室がなく、運転している姿が丸見えなのも特徴です。
引退した車両に乗れる「ロマンスカーギャラリー」
次は歴代ロマンスカー5車種が常設展示されているロマンスカーギャラリーへ。
広い……!
検車庫をイメージし、ロマンスカーの鮮やかなオレンジ色が引き立つようにシンプルなつくりになっています。
展示されている中でもっとも古い、1957年~1992年まで活躍していた車両です。フォルムに丸みがあるのはこの車両が最初で、初代新幹線のモデルになったと言われています。
これが初代ロマンスカーですか?
実はそのへんは複雑で……。もともと、4人掛けシートが一般的だった時代、2人掛けシートを備えた車両のことを「ロマンスシート」と呼ぶようになったそうです。そこから2人掛け=ロマンスカーになったのだとか。今は小田急が商標登録していますが、昔はいろんな鉄道会社にロマンスカーがあったので、「初代」がはっきりしないんです。
ロマンスカーって「ロマンスシート」が由来なんですね!
乗車口が低い! 当時のサイズ感なのでしょうか、天井や網棚も今より低く、窓ガラスも小さめです。
こちらは運転席が2階にできた最初のモデルです。前方が展望席になっていて、お客様は運転士よりも先に眺めを楽しめます。
展望席って特別料金かかるんですか?
料金はどの座席も同じです。ロマンスカーは乗車1ヵ月前の10時から予約可能なんですが、展望席は人気なのでお早めのご予約をおすすめします。
パソコン前で待機して発売開始と同時に予約します……!
前方にある銀色のカウンターはなんですか?
あれは喫茶サービスのカウンターです。当時は「走る喫茶室」と呼ばれていて、注文するとアテンダントさんが飲み物やケーキを運んできてくれるシートサービスがありました。
このワインレッドのロマンスカーは、個人的にもっとも好きな車両です。
おぉ! ちょっと尖っててかっこいいです。
この車両はシートに座ることができました。先ほどの古い車両と違い、広々としています。乗り心地は現在の車両と変わりません。
こちらは御殿場や沼津へ向かうピンクと水色のロマンスカー。
「焼酎お湯割り始めました」のポスターは現役時代から貼ってあるそうです。
焼酎のお湯割り、今もあるんですか?
実は、車内販売は2021年3月で終了したんです。ロマンスカーファンの方からは「寂しい」との声もありますが、今は乗車前に駅で飲み物を購入される方が多いので……。
階段を下りると、まるで個室のようなテーブル席がありました。
この車両はバブル時代にできたから豪華なんです。このロマンスカーに乗って静岡のゴルフ場へ行く方が多かったようですね。
車両によって時代の変遷を感じますね。興味深いです……!
ずっと眺めていられる巨大ジオラマ
新宿から小田原・箱根・江の島までを巨大なジオラマで再現したジオラマパーク。10種類のロマンスカーと5種類の通勤電車が走ります。音楽とプロジェクションマッピングによる約9分間のジオラマショーも人気です。
当館でもっとも人気のある、自慢の展示ゾーンです!
ジオラマは駅伝のランナーや白バイ、海中のダイバーまでリアルに表現されています。
ものすごい精巧ですね……!
このジオラマは、企画に約2年、制作に約1年8ヵ月かかりました。ロゴなどが入った建物は許可を得て制作しています。ゆかりのある場所を探すと楽しいですよ。
時間が経つにつれて、昼の青空、夕暮れ、夜と空の色が変わります。同じアングルで撮影しても写真の雰囲気が変わって楽しい!
ジオラマ運転体験もできます(100円/3分間)。
当館の館長は元運転士なんですが、このジオラマには、館長が運転したことのある電車も走っています。ぜひ、それぞれの思い出を胸に眺めていただければ。
夕焼けが綺麗で音楽もムーディーで、見ているとなんだかジーンとします……!
アスレチックや運転シミュレーターも!
キッズロマンスカーパークは、お子様が楽しく遊べる工夫がいっぱいのエリアです。
ロマンスカーをイメージしたアスレチックは男女問わず大人気。滑り台やはしご、ボルダリング風の壁などがあり、全身で楽しむことができます。
対象年齢は3歳以上ですが、安全性に配慮した遊び場「あかちゃんゆうせんせき」があるので赤ちゃんも安心です。
手をかざしたところから線路が敷かれるインタラクティブアート。
こうさくしつでは、「おうち」と「ロマンスカー」のペーパークラフトを作って、線路を走らせることができます(材料費込み500円)。
本物の運転台を利用したロマンスカーシミュレーター“LSE(7000形)”も人気! 実際に運転席から撮影した映像が流れ、臨場感のある運転士体験を楽しめます。
ものすごく本格的な『電車でGO!』って感じですね。
難易度は3段階から選べます(500円/1回)。
カフェやミュージアムショップも充実
大きな窓から光がたっぷり射し込むカフェ・ROMANCECAR MUSEUM CLUBHOUSE。店内のインテリアは「モハ1」をイメージしています。
ロマンスカーミュージアムに来館したお客様だけではなく、カフェだけの利用も可能です。海老名駅直結だから便利!
人気メニューの「飲める車両図鑑(700円)」。5種類の中から、富士山を背景にしたものを選びました。厚い生クリームの層に景色が転写されていて、その下はコーヒー、ココア、ミルク(ホット・アイス)から選べます。
「ロマンスカードッグ」など、沿線の食材を使った軽食メニューも多数あります。
ミュージアムショップ・TRAINSでは、ここでしか買えない限定グッズを多数販売しています。
サンリオキャラの制服姿が可愛い! 鉄道ファンじゃなくても、ついつい欲しくなってしまいます。
イベントやフォトウェディングも!
ロマンスカーミュージアムの今後について、小泉さんに伺いました。
当館は今までにない鉄道博物館を目指しています。たとえば、レンブラントホテル海老名さんと提携したフォトウェディングのプランを用意しており、すでに数組のカップルにご利用いただいております。今後は、閉館後のナイトミュージアムを楽しめるようなロマンティックなイベントを企画したいですね。
最後にメッセージをお願いします!
ロマンスカーに興味がある方もない方も、ぜひお越しください。皆さまに楽しんでいただけるような写真をアップしますので、まずはインスタをフォローしてもらえると嬉しいです!
ロマンスカーミュージアム詳細・アクセスなど
○公式サイト https://www.odakyu.jp/romancecarmuseum/
○営業時間
ミュージアム 10:00~18:00(最終入館17:30)
ROMANCECAR MUSEUM CLUBHOUSE 10:00~19:00(L.O 18:30)
※季節によって変動する場合がございます。
○休館日 第2・第4火曜日
※別途、休館日を設ける場合もございます。詳細は公式サイトをご確認ください。
○料金
<一般>
大人(中学生以上) 900円
子ども(小学生) 400円
幼児(3歳以上) 100円
<団体(20名以上)>
大人(中学生以上) 800円
子ども(小学生) 300円
幼児(3歳以上) 50円
○アクセス
住所:神奈川県海老名市めぐみ町1-3(小田急線海老名駅隣接地)
・小田急線新宿駅から海老名駅まで最速38分
・小田急線小田原駅から海老名駅まで最速29分
・相鉄線横浜駅から海老名駅まで約30分
電話:046‐233‐0909(開館日の10:00~18:00)
取材・執筆:吉玉サキ