はまぎん こども宇宙科学館
横浜市磯子区にある科学館。体感しながら学ぶこと、自ら楽しみを見つけることを大切にした施設で、土日にはサイエンス・ショウや科学工作教室も行なっています。
親子で楽しめる科学館「はまぎん こども宇宙科学館」に行ってみた
県内最大級のプラネタリウムを持ち、宇宙と科学について遊びながら学べる人気スポット「はまぎん こども宇宙科学館」を取材しました。
目次
「はまぎん こども宇宙科学館」は、JR京浜東北・根岸線の洋光台駅から徒歩3分の科学館。
科学館というと難しい展示が並んでそうなイメージがありますが、こちらは全身で遊べるアスレチックやゲームなどの遊び心がぎゅっと詰まった、楽しみながら宇宙や科学について学べる施設です!
注目したいのは県内最大級の美しいプラネタリウムと、安全に十分配慮しながら”触って遊ぶ”展示の数々。最近は工作や実験にも力を入れており、来館者にはそれぞれの感じる科学の楽しさを見つけてもらいたいとのこと。
そんな「はまぎん こども宇宙科学館」に行って、広報の三田さん・スタッフの毛塚さんにその魅力を詳しくお伺いしました!
科学の楽しさを”発見”するところ
館全体が巨大な宇宙船をイメージした、体験型の科学館です。テーマの異なる5つの展示室があり、子供から大人まで、自分で触れて体感して、楽しく遊びながら宇宙や科学の不思議を学ぶことができます。
体験型と聞くとワクワクしますね!
また小学生以上が対象の、身近な物を使って工作をする科学工作教室や、プログラミングや実験などを体験できる「洋光台サイエンスクラブ」という会員制の理科クラブもやっています。
わ〜、楽しそう!子供に戻ってもう一度やってみたいです(笑)
では、早速5Fからご案内します。
遊びながら宇宙を知る!5F 宇宙船長室
こちらは本物の隕石に触れたり、色々な展示を体験したりして宇宙のことを知るフロアです。宇宙に関する展示がたくさんあり、子供にも人気があります。
ぜひ見て頂きたいのは、こちらの「500kgいん石」。ナミビアで発見された本物の隕石で、実際に触って、ボコボコの質感や大きさを体感して頂くことができます。500kgあるので運び入れが大変でした(笑)
子どもに一番人気なのはこれ!惑星の軌道を模した「惑星レール」というゲームで、ボールをそれぞれ惑星の位置に落として得点を競います。遊びながら惑星の位置を覚えることができます。
楽しみながら天体についても学べちゃうんですね!親御さん歓喜。
こちらの「重力のワナ」も人気です。こちらのボコボコ空いている穴が重力を表していて、近づくと吸い寄せられてしまいます。上手くいくと、重力の穴を利用して方向を変えられます。この重力を上手く使いながらゴールを目指してボールを打ち出します。
なるほど、ゲームとして楽しみつつ、重力の不思議を体験できるので、子供が興味を持つキッカケになるんですね。
他にも、磁石がくっつく本物の隕石を触れる「9kgいん石」、南極から持って帰ってきた「南極の石」、宇宙飛行士になった気分で運転操作ができる「スペース・シミュレータ」、などなど、楽しい遊びが盛りだくさん!展示を体験しながら、宇宙の楽しさに触れることができます。
数学の不思議が目でわかる!4F 宇宙研究室
こちらは連鎖する仕掛けやなどを体験しながら“もののきまり”を知るフロアです。これはどうなっているんだろう?と、子供が目を輝かせそうなものを揃えました。
まず出迎えてくれるこちらは「ボールマシン」。複雑な機械の中をボールが転がっていく様子を見ることができます。
これは……?ピ〇ゴラスイッチ?
これは、ビー玉を転がすと、その動きが連鎖していく様子を楽しむことができる「ビーコロ®」です。この「ビーコロ®」は音楽をテーマにしていて、楽器を使って装置が構成されています。ビー玉がうまく通ると、ある曲が聞こえてくるようになっています。
こちらは体験しながら物理を学習できる「急がば回れ」という展示物です。一番短い直線コースから、カーブした長いコースまで、4本のコースに上からボールを転がします。さて、どれが一番早くゴールするでしょうか。
むむ、一番短いコースが早いわけではないんですね…!物理って不思議です。
飛んだり跳ねたり、動きが繋がったり、楽しい仕組みを見ながら数学や物理の面白さを体験できます。他にも合わせ鏡で奥行きを楽しめる「無限トンネル」、魚の立体投影が現れる「スペースアクアリウム」など、不思議で楽しい展示物がいっぱい。もちろん、触って楽しむことができます。
将来は宇宙飛行士?!3F 宇宙トレーニング室
アスレチックのような展示を通じて、宇宙飛行士のトレーニングや実際の仕事について学ぶフロアです。子供に一番人気のフロアで、みなさん楽しく遊んでくれています。宇宙飛行士になった気分で力一杯楽しんでください!
こちらは特に人気の展示物で、重力が地球の約1/6しかない月面でジャンプしたときの感覚が味わえる「月面ジャンプ」です。(※対象:小学生以上)
楽しそう……!何度でも試してみたくなりそうですね。
「空間移動ユニット」では、宇宙空間の移動をイメージした装置で、機械の操縦を体験できます。自分で操作しながら移動して、下の的にライトを当てていくゲームです。意外と難しいんですよ。
こちらも人気がありますね!宇宙空間でのロボットアームの操作をイメージした「マニピュレータ」。ロボットアームを操作して、ブロックを積み上げていきます。何個積み上げることができるか、最高記録を目指しましょう!
他にも、ジャングルジムのような「惑星ジム」、ジャンプ力や脚力やぶらさがり耐久力を鍛えられる展示物など、体を使った遊びから手先の器用さが問われる遊びまで遊び尽くせないほど充実しています。
また死角になりそうなところにはカメラもあって、保護者の方も安心して見守ることができます。
本物の雷?!2F 宇宙発見室
こちらは電気や光がテーマになっています。なかなか実態を見ることができないものを体感できるフロアです。
こちらはスイッチを押すと人工的に再現した雷を見ることができる「放電ショウ」。これは沿面放電という現象です。大きさは小さいながらも迫力満点です。
リアル!本物の雷みたい……というか、本当に雷なんですよね。すごい!
こちらはガラス内で電気が放電されている「プラズマボール」。手を近づけると、手の表面に静電気が流れて、ボール内の電気が近寄ってきます。
おお〜!確かに手に吸い付くように電気が来ました。面白い!
他にも、細長い形状で放電現象が見れる「プラズマチューブ」、蚊の足先まで見ることができる「電子顕微鏡」、光の色の混ぜ合わせを体験できる「三原色の木」など、見て触って楽しめるものがいっぱいです。
県内最大級のプラネタリウム!1F プラネタリウム
1階まで降りてきました。1階には、ミュージアムショップやカフェ、プラネタリウムがあり、施設の玄関口です。先ほどの宇宙ステーションの模型も1Fの天井にあります。
ぜひ見て頂きたいのは、科学館で目玉でもある巨大なプラネタリウム!県内最大級の施設で、美しい星空がドームいっぱいに広がります。アニメーション番組の投影と15分程度の星空解説を楽しむ回と、全編スタッフによる生解説の回があって、時期によって内容も変化させています。
また、科学館はスタッフによる生解説にこだわっていて、現在5人いる解説スタッフも全員にキャラクターがあります。個性豊かな説明を聞くことができ、お気に入りのスタッフを目当てに来館するファンの方もいらっしゃいます。
今回特別に少しだけ見せてもらいましたが、生解説ってとってもいいですね!実際の横浜に見えているはずの星空を解説してくれるので、普段見上げている空にもこんなに星が輝いてるのかと感動しました!
生解説の内容は当館オリジナルですので、ぜひご来館した際には観ていっていただきたいですね。
ちなみに星がよく見えるオススメの席は「真ん中の投影機の近く」だそうです。(※現在は新型コロナウイルス対策で席の間隔を空けて運営されています。)
大型ロボットで遊ぼう!B2 あそびの広場
地下にも展示スペースがございます!こちらはマグネットパズルや特別展(企画展開催時のみ)などを家族で楽しめるフロアになります。真ん中にある、目が光る巨大ロボット「ロボットBe-2」は中がアスレチックになっていて、登ったり滑ったりと楽しむことができます。
おお~!目が光ってますね!
あの、こちらは……?
こちらは熱気球です。中の空気が暖められると、フロアを飛び出して吹き抜けの上までフワフワと飛んでいく姿を見ることができます。
どうして飛ぶんだろう?と思ったそれが、科学への興味の始まりです!
他にも、どうぶつの形が組み合って不思議な模様が作れる「どうぶつパズル」など、小さな子供でも遊んで楽しめるおもちゃがいっぱいです。
パズルは小さなお子様から小学生くらいまで幅広く楽しんでもらえるよう、難易度を分けて数種類ご用意しています。
コロナ禍でも楽しめる工夫
展示物についている、このマークは何ですか?
こちらは「てあらいのめじるし」です。「色々な人が触るところだよ、触ったら手を洗おう」と伝えるために表示しています。
おお〜!これは子供にもわかりやすいですね。
はい、はまぎん こども宇宙科学館では、コロナ禍でも楽しんでもらえるような形で体験型展示を行っています。科学館のテーマである体感しながら学ぶことと、コロナ対策の共存を考えた結果、触ること自体を禁止するのではなく、気をつけるポイントを知って対策しながら遊んでもらう対応に行き着きました。触って遊ぶ展示物にはこのように”てあらいのめじるし”が付いています。
素敵!丁寧なご対応をありがとうございます。来館された際、このマークの遊具を触ったら必ず手を洗いましょう!
子供や親子連れがもっと楽しく!
毎日たくさんのお子さんがいらっしゃる中で、工夫されていることってありますか?
はい。B1に大きな休憩室を用意しておりますので、お子様が遊び疲れてしまった際はこちらでお休みください。持ち込んだお弁当を食べることもできます。また各フロアにも休憩スペースがありますのでご自由にお使い下さい。(※休憩室は団体予約時は使用不可。また食事は1Fコスモカフェ、B1休憩室のみとなります)
1Fのコスモカフェでは、おこさまカレーや、タコ型のたこ焼きなど、お子様に喜んでいただけるメニューもご用意しています。親子で楽しく遊んで頂けると嬉しいです!
リアルだけでなく、オンラインで楽しめる科学館
また今年から、施設に来れない時でも楽しんでもらえるよう、YouTubeでの動画配信を始めました。解剖の動画や、実験や工作など、色々なコンテンツを作っています。
中でも、反響も大きかったのは、こちらの「館長室へようこそ!」です。宇宙や科学に限らず、将棋棋士の羽生善治さんなど、今、各界でご活躍されている方をゲストにお招きして小学生の頃の話やこれからやりたいことの話を聞くYouTubeライブ配信です。(※こちらのイベントは終了しましたが、上記リンクから、配信した動画をご視聴頂けます)
伝えたいではなく、必要とされる
はまぎん こども宇宙科学館の施設以外にも色々なイベントをされてるんですね。どれも本当に面白そうです。ちなみにこちら、施設やイベントで大切にしている方針って何かありますか?
今、お客さまに必要とされていることって何だろう?と日々考えています。こちらの”伝えたい”という一方的な想いではなく、”必要とされる”科学館でありたいです。またショーやサイエンスクラブをやっていると、科学の感じ方は十人十色でいいなと思います。その人なりの感性で、科学の面白い・好きを発見して欲しいと考えています。
また、自主的な学びを促すようにしています。こちらが先生として教えるより、一緒に体験しながら発見できるようにと。私自身もずっと魚の勉強をしていたのですが、研究していく中で科学の力を体験して、それを紹介・発信する側になりたいと考えてここに就職しました。科学館は「自分で発見する」ところでありたいですね。また、展示物を気軽に新しくできない分、教室で新しいものに触れてくれたらなと思います。
スタッフのお気に入りスポット
素敵なスポットは色々ありますが、お二人がお気に入りの館内スポットや、マニアックな注目ポイントを教えてください!
私の一押しはマスコットキャラクターです!可愛いのでぜひ見て欲しいです!ピンクの子がアラス、青い子がフロロ、黄色の子がビッチョという名前で、宇宙から来た時に不時着してしまい、この施設にやってきました。館内に彼らがいるので、ぜひ話しかけてみて下さい。
私は、エレベータですね。
先程ご案内いただいたときに乗りましたが、普通のエレベーターでしたよね?
実はもう1台、館内の奥に大きいエレベーターがあるんです!そこの天井は天の川をイメージした装飾になっているので、ご来館の際はぜひ見ていただきたいです。最大75人まで乗れますよ!(※現在は新型コロナウイルス対策のため間隔をあけての利用をお願いしております)
すごい!まるでプラネタリムにいるかのような気分を味わえますね。
あとは、この科学館は公園に隣接しているのですが、その公園から科学館全体を見てみて欲しいですね!
外観も宇宙船のようになっていることが、公園側から見てもらうとよく分かるかと思います!ぜひご来館のは隣の公園からもお楽しみ下さい。Googlemapで上から見ることもできます。
本当だ!外から見ると宇宙船っぽい!今日はありがとうございました!
はまぎん こども宇宙科学館 施設詳細
公式サイト:https://www.yokohama-kagakukan.jp/
アクセス
住所:神奈川県横浜市磯子区洋光台5-2-1
公共交通機関から
電車
JR京浜東北・根岸線 洋光台駅下車 徒歩3分
バス
・京浜急行線・横浜市営地下鉄ブルーライン上大岡駅および港南中央駅から横浜市営バス111系統「洋光台駅」「港南台駅」行き、または江ノ電バス「洋光台駅」行き
・京浜急行線金沢文庫駅西口から京浜急行バス107系統「洋光台駅」行き
・横浜市営地下鉄ブルーライン上永谷駅から横浜市営バス112系統「洋光台駅」行き
いずれも洋光台駅下車徒歩3分
駐車場・駐輪場
科学館と公園の境界にあります。
乗用車 約70台 9:00~17:00(入車は16:00まで)駐車料金 1回 700円
営業案内
開館時間:9:30~17:00 ※最終入館は16:00まで
休館日:第1・3火曜日/年末年始/臨時休館
施設の詳しい利用方法は、公式サイトをご確認ください。
新型コロナウイルス感染症に伴う施設の利用制限について
科学館の感染対策については、公式サイトをご確認下さい。また、ご来館の皆様には感染拡大防止のためご協力をお願い申し上げます。
(2021年2月現在)
取材・執筆:みきぽ