東京都

東京国立博物館

東京上野にある東京国立博物館(トーハク)には、日本の長い歴史を彩ってきた多くの文化財が展示されています。

東京国立博物館に行ってきた!日本で最も長い歴史をもつ博物館

東京上野にある、東京国立博物館(通称、トーハク)を取材してきました!実際何が見られるの?魅力は?など、広報の方にお話をお聞きしました。


東京都上野恩賜公園にある東京国立博物館(通称 : トーハク)は、明治5年(1972年)、湯島聖堂の大成殿で開催された博覧会から始まる、日本で最も長い歴史をもつ博物館です。日本と東洋の美術および考古などさまざまな文化財について、収集、保存、管理、展示、調査研究、教育普及事業などを行っています。

本館2室(国宝室)

敷地内には日本美術を中心に扱う本館のほか、

平成館 考古展示室

考古展示・特別展・特集等を行う「平成館」や、

東洋館5室(中国の青銅器)

中国などアジアの美術品を展示する「東洋館」、他にも「法隆寺宝物館」「表慶館」「黒田記念館」があります。

今回は東京国立博物館の見所や魅力を、広報の方にお伺いしてきました!

日本一の博物館

東京国立博物館の特徴はずばりどういうところでしょうか?

所蔵品の多さではないでしょうか?当館の所蔵品は約12万件、そのうち、国宝89件、重要文化財が646件あります。

12万件!?

そうです。質・量ともに日本一のコレクションです(2020年3月末現在)総合文化展では、常時約3000件を展示しています。

どうしてトーハクでは、常設展ではなく、総合文化展というのでしょうか?

当館では年300回以上展示替えを行っていますので、ご来館いただく度に、違う内容の展示をご覧いただくことができるようにしています。
今何が展示されているかは公式サイトから確認できますので、ご来館の際はぜひチェックしてみてくださいね。

それだけ展示数が多いと、どこからみたらいいか分からなくなってしまいそうなのですが……

当館では、「トーハクなび」という総合文化展の公式鑑賞アプリがあります。日本語・英語・中国語・韓国語の4言語に対応しており、現在展示されているおすすめの作品の解説を音声と文章がご覧になれます。また、テーマごとの鑑賞ユースガイド、体験型コンテンツ、スタンプラリーなどお楽しみいただけます。

※ネットワーク環境があれば、ご自宅でもお使いいただけます。

他にも、当館のWEBサイトでは、おすすめコースガイドの紹介や1089ブログ、東京国立博物館公式Youtubeチャンネルも開設しています。

公式サイトより

なるほど!おすすめコースガイドにそって観覧すればいいんですね!これは嬉しい!では早速ご紹介お願いします!

本館(日本美術)

まずは当館にご来館して正面にある「本館」からご案内します。

本館内部に入ると、大きな階段が正面にあり、大迫力!

すご~~~!!これ写真撮ってもいいですか?

もちろんです。当館では原則展示作品の撮影ができます。ただ一部の展示作品は、撮影できないものもあり、撮影禁止マークがついていますので、確認してくださいね。

博物館って写真OKなんですね!こういう立派な建造物の中に入れる機会って貴重なので、撮影できるのはとても嬉しいです。

本館の建物は、建物自体が重要文化財に指定されているんですよ。コンクリート建築に瓦屋根をのせた「帝冠様式」の代表的建築です。

それでは、館内の2階からご案内しましょう。2階では「日本美術の流れ」として、縄文時代から江戸時代まで、時代を追って展示しています。

本館2室(国宝室)

本館10室(浮世絵と衣装―江戸)

国宝や重要文化財など名品も多数展示しています。

各展示作品に、説明文があったので、日本史の知識が抜けている私でも時代背景を想像して拝観することができました。外国語での表記もあるので、海外の方でも楽しむことができますね。

そうなんです!当館の展示作品には、日本語の他、英語・中国語・韓国語で記載しています。

記事内では伝えきれないのですが、仏教の経典から水墨画、茶道の道具、武士の装束まで盛りだくさんでした!

まだまだたくさんありますよ!1階に参りましょう。

本館11室(彫刻)

先程とはまた雰囲気が変わりましたね。

1階は彫刻、陶磁、刀剣など、ひとつの分野の作品をじっくりご覧いただける分野別展示と特集展示で構成されています。

本館12室(漆工)

刀かっこいいですね~。あ、ここにも刀の見分け方や名称の解説パネルがありますね。

博物館の目的は、収蔵品を展示するだけではありません。各展示室テーマを決めて作品選定をしています。また日本の歴史をつないできた収蔵品をより多くの人に知ってもらえたらと考えていますので、初めてご覧になる方にも、なるべく分かりやすく楽しく観覧いただけるような展示を意識しています。

また、当館では他の美術・博物館より文字を大きくしています。またフォントは様々な実証実験の結果、ユニバーサルデザインフォントを使用しています。作品の理解をより深められるよう図解で解説しています。

平成館(日本の考古・特別展)

続いては、正面から本館を見ると左奥に見える「平成館」をご案内します。

平成館は先ほどの本館に比べると近代的な雰囲気ですね

平成館の目玉は1階の考古展示室です。石器時代から近代まで考古遺物で日本の歴史をたどります。

平成館考古展示室(独立展示コーナー)

平成館 考古展示室(埴輪展示)

縄文時代の土偶や、弥生時代の銅鐸、古墳時代の埴輪など教科書でみたあの作品に出会えます。

埴輪をこんなに見たの初めてです……圧巻ですね!

考古展示室にある埴輪ステージでは、様々な埴輪を展示しています。また、講演会やさまざまな催しを開催する際に使用する講堂、およびガイダンスルームがあります。2階は特別展示専用の展示室です。

※現在、新型コロナウイルス感染予防および拡散防止のため、講堂およびガイダンスルームの使用は制限しています。

東洋館(アジアギャラリー)

続いて正面から本館を見ると右手側にあるのが東洋館です。

来たときは、正面の本館に圧倒されていましたが、東洋館も迫力ありますね!

そうですね。5階建てながら、中央を吹き抜けにすることで解放感のある構造となっています。

東洋館5室(中国の青銅器)

「東洋美術をめぐる旅」をコンセプトに、中国、朝鮮半島、東南アジア、西域、インド、エジプトなどの美術と工芸、考古遺物を展示しています。

本館、平成館と日本の美術品を見てきたので、それらとの違いや互いの影響も感じられますね。

地下1階にはTNM&TOPPANミュージアムシアターがあり、VR(バーチャルリアリティ)によるデジタルならではの新しい文化財鑑賞方法を体験できます。

※ミュージアムシアターの詳細はコチラ

4K映像で美術品を楽しめるってどんな感じなんだろう……!とても気になります!

約3ヶ月毎に上映作品が変わります。大型スクリーンに映し出される超高精細画像なVR映像では文化財の質感や肉眼では見ることができない細やかな造形までじっくりと堪能することができます。

歴史を感じる文化財と、最新技術の組み合わせが楽しめるってことですね。

季節ごとに入れ替わる特別展

東京国立博物館は、常設展示でも充分盛りだくさんですが、特別展でも時期ごとに様々な特別展を開催されていますよね?

古くは昭和49年に開催した「モナリザ展」はトーハクの特別展入館者1位を記録しています。また、平成21年には「国宝・阿修羅展」で、多くのメディアで紹介されました。この他にも、日本・海内と様々なテーマの特別展はこちらよりご覧いただけます。

https://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=past_list

そうなんですね

特別展は、平成館2階の他、本館1階の特別4室・5室や、表慶館などでも開催します。

法隆寺宝物館(法隆寺献納宝物)

法隆寺宝物館 第2室(撮影:佐藤 暉)

明治11年(1878)に奈良・法隆寺から皇室に献納され、戦後国に移管された宝物300件あまりを収蔵・展示。これらの文化財は、正倉院宝物と双璧をなす古代美術のコレクションとして高い評価を受けていますが、正倉院宝物が8世紀の作品が中心であるのに対して、それよりも一時代古い7世紀の宝物が数多く含まれていることが大きな特色です。

表慶館

明治33年(1900)、皇太子(後の大正天皇)のご成婚を記念して計画され、明治42年(1909)に開館した、日本ではじめての本格的な美術館。明治末期の洋風建築を代表する建物として昭和53年(1978)、重要文化財に指定されました。

現在、表慶館は特別展開催時にしか中に入ることができないので、ぜひ特別展にもいらしてくださいね。また、構外に「黒田記念館」も当館の施設になります。こちらは無料でご観覧いただけます。

黒田記念館

黒田記念館 特別室

黒田記念館 黒田記念室

黒田記念館は、洋画家黒田清輝(1866-1924)の遺言により、その遺産によって建てられ、昭和3年(1928)に竣工、同5年に帝国美術院附属美術研究所として開所。黒田清輝の油彩画約130点、デッサン約170点、写生帖などを所蔵し、特別室と黒田記念室で展示されています。

1つの博物館の中に、たくさんの博物館があるみたいですね!

そうですね。当館にお越しいただきますと様々な分野の作品をお楽しみ頂けます。また、構内には黒門や校倉など由緒ある建造物や屋外彫刻などがあり、常時ご覧いただくことができます。

黒門(重要文化財)旧因州池田屋敷表門

※土・日・祝・休日および1月2日・3日の10:00~16:00に開放しています。

本館の裏には日本庭園もありますよ。本館の1階ラウンジから見ることができるほか、庭園を開放した際は散策することもできます。

※庭園開放期間中、庭園の一部工事を行うため、立ち入りに制限が生じる場合があります。

春には桜、秋には紅葉と季節の移ろいを感じることもできます。

奥の方に見える小さな建物は……?

あれは茶室です。庭園に全5棟あり、そのどれもが貸出利用が可能となってます(詳細はこちら)。

博物館の構内でお茶会なんて、とても優雅ですね

茶室
利用案内はこちら

一通り案内いただきましたが、全部回りきるには丸一日いても時間が足らなくなってしまいそう……

歩き疲れたときはカフェで一息

博物館構内の4か所で食事・喫茶をお楽しみいただけます。

※新型コロナウイルス感染症対策の為、一部店舗は休業しています。ご来館の際は公式サイトにてご確認ください。

ホテルオークラレストラン ゆりの木

ホテルオークラ ガーデンテラス

この他、上島珈琲店 黒田記念館店鶴屋吉信 売店 (平成館で特別展開催時のみ営業)もございます。
またお帰りの前にはぜひミュージアムショップにもお立ち寄りください。当館の収蔵品をもとにデザインした絵はがき、文房具、Tシャツ、アクセサリーなどさまざまなミュージアムグッズを販売しています。

本館 ミュージアムショップ

2階には書籍があるのですか?

2回へ続くスロープは書籍コーナーとなっております。当館の出版物を含め約4500種類の美術、考古、歴史に関係する図書を販売し、一般書店では手に入りにくい当館の過去の特別展カタログや、他館の展覧会カタログなどもお買い求めいただけます。

まるで展示品のようです……

ミュージアムショップ
営業時間:博物館の開館時間に準じます。

※正門プラザのミュージアムショップはコロナウイルス感染症拡大防止のため休店しております。

これだけ多くの文化財を一度に観られて1,000円ってお得すぎますね……

感染症対策を講じお待ちしています

最後に、東京国立博物館で実施されている感染症対策を教えていただけますか?

感染予防への対策を徹底するため、ご来館を事前予約制とし、構内に人が密集しないようにしています。また館内、構内共にとても広いですので、他のお客様とは十分距離を取って鑑賞いただける環境となっています。ご観覧にあたり、お客様にはご不便をおかけしますがご理解とご協力をお願いいたします。

東京国立博物館 施設概要

公式サイトhttps://www.tnm.jp/

開館時間:9:30~17:00(金土は9:30~21:00)

※特別展の開館時間は、別途ご確認ください。
※黒田記念館は9:30~17:00(入館は16:30まで)
※入館は閉館の30分前まで
※当面の間、夜間開館は中止します。

料金

一般 1,000円、大学生 500円

入館にはオンラインによる事前予約(日時指定券)が必要となります。
直接窓口にお越しになった場合、事前予約の予定枚数に空きがあれば、そのまま窓口にてご予約いただけます。

※総合文化展の事前予約はこちらから

※特別展も事前予約が必要となります。詳しくは公式サイトをご確認ください。

アクセス

住所:東京都台東区上野公園13-9

・JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口下車 徒歩10分
・東京メトロ 銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅下車 徒歩15分
・京成電鉄 京成上野駅下車 徒歩15分
・台東区循環バス「東西めぐりん」で「上野駅入谷口」バス停から「上野公園経由・三崎坂往復ルート」のバスに乗車し、1つ目のバス停が東京国立博物館前(4分)

JR上野駅公園口改札を出て、上野恩賜公園に入り、国立西洋美術館を右手に進み、スターバックスコーヒーの見える十字路で右に曲がると、大噴水の奥に見えてきます!

画像提供:東京国立博物館
※2021年1月27日現在の情報です。